カナリア諸島にて | テムズ河の潮汐を眺めつつ

カナリア諸島にて

私達夫婦は南の島でゆっくりという旅行に興味がありませんでした。
身近な人達が行った時の写真を見せて貰うと良いねとは思いつつ。
それが今回は行き先を選んで個人で手配する気力がなくて
パッケージツアーでどこかのんびりできそうな所への理由で
とうとう南の島へ出発する事になりました。

カナリア諸島はロンドンからは飛行機で3時間半で時差もないせいか
家族連れやヘン/スタッグ・ナイトで行く人が多いようです。
東京から沖縄とかサイパン、ちょっと離れるけれどハワイに行くとかそんな感じかな。



Googleの地図を借りて場所を示すとご覧の通りモロッコの西で
スペイン領ながらヨーロッパというよりは完全にアフリカで大西洋に面しています。

日本からは直行便もないだろうしまずヨーロッパかアフリカに飛んでから
わざわざ乗り換えしてまで来る日本人観光客もほぼ皆無でしょう。

カナリア諸島に行くなら大滝詠一さんの『カナリア諸島にて』だと思い
A Long Vacationを流しながら旅行準備していました。
大滝詠一さんはヨーロッパでの長期滞在レコーディング中にでも
息抜きの為にカナリア諸島に出かけられたのかな等と想像していました。



飛行機はトムソン・ホリデーズのチャーター便で
家族で一緒に座るには追加料金を払う必要があります。
フライト中に供される飲料や軽食も全て別料金、でもそんなに割高ではなかったです。

私達も追加料金を払って一緒の席を確保したのになんと行きも帰りもまさかの窓が無い席!
なので着陸前の眼下の様子も他の乗客越しにちらっとしか見えませんでした。
それだけでも茶色の岩がちな荒涼とした風景なのだと分かりました。
急に「雪?」と一瞬思ってしまった白い一帯はビニールハウスのようでした。


空港からホテルまではトムソン・ホリデーズのバスに乗って
ホテルを10軒位廻ってから島の南端にある私達のホテルに到着しました。
途中隣の町の様子も見られたので良いのですが
まずバスが出るまで一時間出発後も一時間以上かかったので
もしまた行くとしたら許されるならタクシーに乗り20分位で到着の方を選ぶでしょう。
私達のホテルは最後から二番目だったようです。

空港から北に行くと日本の漁船が立ち寄り在ラスパルマス出張駐在官事務所もあるという
ラス・パルマスという旧市街があり南に向かうとマスパロマスというリゾート地があります。
その先は山が海岸近くまで迫り切れ切れに小さめの砂浜とリゾート地という景色になり
更にその先、島の西部は地図を見ても分かる様に山が直接海に落ち込むような地形で
高速道路も通っていないしたぶん人口も少ないのでしょう。



空港からホテルへのトランスファーバスの窓からの景色。
この写真には写っていないけれど風力発電の白い巨大風車が立ち並んでいました。
強風ではなく昼には弱くなりますが朝夕は常に風が吹いている状態でした。



隣町のプラヤ・デル・イングレス(Playa del Inglés)のホテル群。
地名はイギリス人の浜という意味だそうで昔からイギリス人が休暇を過ごしにやって来たそうです。



これも隣町。



ようやくホテルに到着、チェックインの後プールサイドで一足先にくつろぐ旅行客の脇を
スーツケースを転がしながらこれから一週間を過ごすバンガロー(一階建ての家)へ向かいました。



こんな南国っぽい色に塗られたバンガローが立ち並び
バルコニーには色とりどりの花の咲く木が植えられていました。



フレンチ・ウィンドウを開けて入った所。
居間のソファーはそれぞれベッドに変えられて最大三人が眠れるようになっています。



同じ部屋を反対側から撮影。



ベッドルーム。



キッチン。
キッチンの横には二畳程の壁に囲まれた中庭があり洗濯物を心置きなく干せました。
洗濯機は付いていなくて使わなかったけれど敷地内にコインランドリーがあるみたい。



バスルーム。


このバンガローは施設は古めなだけれども小綺麗にまとめてあって
建物自体もしっかりしていて恐れていた隣の物音が筒抜けという事はありませんでした。
事前にインターネットで調べた評判通りでした。

バスの窓から見ているだけでもこれは家というよりはキャラバン・パークだろうという
いかにも手入れの行き届いていない所もあったのでほっとしました。



私達のバンガローのバルコニーの花。なんという花なのかな。



子供達に急かされて荷物を解くのもそこそこにプールサイドへ直行しました。



気温は23度位ありましたが大きなプールは水深があるせいで冷たい!
子供向けのプールは何とか入れる温度です。





プールサイドのバーにて最初の夕食はたまたまやっていたBBQに参加しました。
感想は魚介類がないのが残念でしたが値段もそんなに高くなかったのでそんなものか。
卓上に塩こしょうに並んでケチャップやマヨネーズではなくて
オリーブオイルがある所に南の国っぽさを感じました。


このバーではこの後もランチやスナックで何度もお世話になりました。
給仕の人達がとてもフレンドリーで特に夕方からのシフトのジョアンさんが
特に明るくてお茶目で家の子供達に子猫を特別に見せてくれたりと親切でした。
名前はジョアンと聞こえたけれどスペイン語だったらホアンじゃないかな、
でも英語風にJを発音したのかなそれともジョーダンの聞き間違いか定かではなりません。
とにかくまず最初の「ウェルカム・トゥー・ザ・パラダイス!」
(「天国へようこそ!」)から笑わせてくれました。




夕食後に翌日朝食用のパンや牛乳を買おうと受付でスーパーマーケットの位置を聞いたら
「すぐ右にあるます。」と言われました。
それで延々と右に歩いて行ったけれどそれらしき物は見当たらず。


この島は乾燥していて何もしないと低い灌木程度しか生えてこないようです。
ヤシの木やその他の花の咲く木、芝生等はリゾート地や民家の廻りなど
灌漑設備がある所だけに限って見られます。
植物の側の地面には規則的に小穴の空いた黒いホースがうようよと這うようにあるか
スプリンクラーのノズルが設置されています。

すっかり日の暮れたこの時間(午後9時15分頃)はスプリンクラーが自動的に水やりを始め、
うっかり緑地帯脇の歩道を歩いている水をかぶってしまいます。
子供達は大喜びでわざとスプリンクラーに突進して行きました。



こんな新しげな建物もありましたがどうやらオフィスや民家しか入っていないよう。
スーパーマーッケトの帰りらしい人二人とお掃除の人一人以外は人気がありませんでした。



こんな遊園地風のものを見つけてもスーパーマーケットには行き当たらず。
先に見かけた買い物袋を下げた人達も恐らく車でどこか遠くのに行った帰りなのでしょう。


遊園地風の所にあるかもしれないと透が一人で偵察に行くと言ったのですが
見知らぬ土地で人気が無い所を私と子供達だけで歩くのは不安なの引き返す事にしました。







香蓮は新しいビーチサンダルが足にすれると文句を言って裸足になり響も真似して裸足に。



ホテルまで無事に戻りもう一度良く聞くとなんとスーパーマーケットは
ホテルの右に隣接していてでも営業時間が過ぎて閉まっていただけなのでした!


たぶん他のホテルや貸し別荘でも同じだと思うのですが敷地内には猫がいっぱい!
夜のプールサイドで子供達はひとしきり猫と遊んでからバンガローに向かいました。