先日行なわれた、ボクシング3団体統一世界ライトヘビー級タイトルマッチ。
統一王者セルゲイ・コバレフvs元世界スーパーミドル級統一王者アンドレ・ウォードは、微妙な判定でしたがアンドレ・ウォードが勝ち、2階級制覇を果たすとともに3本のベルトを奪取しました。
この試合でセルゲイ・コバレフは初黒星となりましたが、コバレフが勝ったと思った人もたくさんいたのではないでしょうか。
各ラウンドでどちらかに優劣をつける現状の採点システムを考えると今回の結果はおかしくはありませんが、ボクとしてはあまりスッキリしない結果でした。
ボクシングでは、ファン待望の強豪同士の試合が必ずしも期待どおりの試合に直結しないことはよくあります。(今回の試合が決してつまらなかったということではありません。)
と…、 試合の内容についてどうこう言っても仕方ないので、今回はコバレフ選手のパンチ力についてボクの考えを書きたいと思います。
「クラッシャー(破壊者)」の異名を持つコバレフですが、体は筋骨隆々というわけではありません。(ロシア人は地の力が強いと言っている人もいますが)
試合運びの上手さなど専門的なことはさて置き、パンチの打ち方やリズムの切り替えが出来ることが強さの大きな要因だと思います。
剛腕ぶりが目立ちますが、テクニックがあり動きも柔らかいので、実はその腕っぷしの強さだけで相手をブッ飛ばしているわけではないと思います
体幹も力みがなくリラックスしてパンチを打ちますし、並進エネルギーを拳に伝えるのが上手く、きちんと体重も乗せることが出来ます
ですので、ジャブでも相手を倒すことが出来ます
並進エネルギーを利用するためには、身体重心位置を最適にし力まずに重心を動かして移動する必要があります
エネルギーをパンチに伝えるコバレフの打ち方は、足で蹴って体重を移動させ体をツイストして打つという方法ではないので、相手はパンチを見切ることが難しいと思います。
この筋力に頼らずエネルギーをきちんと拳に伝える能力がパンチ力を上げるためにとても重要だと思います
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