こんにちは。謙信です。
前回は、出資者(equity investors)への現金支払には、配当(dividends)以外に、減資と貸付金もあるという話をさせて頂きました。
配当(dividends)の場合、留保利益(retained earnings)を減少させます。
減資の場合、払込資本(paid-in capital)を減少させます。
貸付金の場合、「loan receivable」を資産計上します。
前回までで、一連の貸借対照表(balance sheet)の変化を表す連載は終了です。取引毎に、貸借対照表がどう変化していくか、大体のイメージはつかめましたでしょうか?
今回は、前回まで説明させて頂いたB/Sの留保利益(retained earnings)が損益計算書(income statement)の利益(income)とどう関係しているかについて説明させて頂きます。
まず、貸借対照表(balance sheet)は一定時点での財政状態(financial position)を表すため、Kenshin社の貸借対照表も「as of January 13th」となっていますね。ちなみに、「as of ~」で、「いついつ時点において」という意味になります。
つまり、貸借対照表上の留保利益(retained earnings)は、ある一定時点での「利益の累積額」を表しているんですね。
一方、損益計算書(income statement)は一定時点ではなく、一定期間の経営成績である利益(income)を表します。つまり、時間の幅があるんですね。
ここが面白い点ですが、利益(income)という単語を用いるときは、期間の概念なんです。誤解を恐れずに言えば、1つ1つの取引(transaction)からは利益は生まれないんです。1つ1つの取引からは、留保利益(retained earnings)の増減が発生するだけなんですね。そして、一定期間で捉えたときの、その留保利益の純増分を、利益(income)と呼ぶんですね。
極論すると、例えば、たった今、1つの取引が発生し、その結果、留保利益(rateined earnings)が$100増えたとしましょう。そして、今日(00:00 - 24:00)という1日(期間の概念)の損益計算書を作成した場合、利益(income)が$100ということなんですね。
▼利益(income)とは、一定期間における留保利益(retained earnings)の純増金額である
The amount by which retained earnings increased as a result of operations during a period of time is called the income of that period.
という訳で、Kenshin社の1月4日から1月13日までの利益(income)は、留保利益(retained earnings)がゼロから$1,300に増加していることから、$1,300となります。
1月4日時点の貸借対照表
1月13日時点の貸借対照表
ここで、英単語について補足したいと思います。
「利益」を表す英単語には、以下の3種類があります。
・income
・earnings
・profit
ただし、上記「利益」は「収益(revenues)」とはしっかりと区別してください。会計では、「利益」と「収益」は全くの別物です。「利益」と「収益」の関係については、次回以降、説明していきますね。