【連載B/S⑧】棚卸資産を掛売りした時の会計処理とは? | 【匠】会計・英語・ITを武器に!バンコクで働くバイリンガル米国公認会計士のブログ

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こんにちは。謙信です。

前回は、事業単位が損失を出し、留保利益(retained earnings)がマイナスとなった場合に、欠損金(deficit)債務超過(capital deficit)が発生するという話をさせて頂きました。

前回の図を再掲しておきますね。


記事86_20120826損失計上時の会計処理



今回は、掛けによる販売を行った際に、貸借対照表がどう変化するかを見ていきます。現金販売との違いを意識して頂ければと思います。


(8)
1月11日、Kenshin社は、原価$1,000分の棚卸資産(inventories)を、$1,800で掛売りした。顧客は、45日以内に代金を支払うことを約束した。


記事87_20120826掛売り時の会計処理



まず、棚卸資産(inventories)を$1,000分減少させますね。そして、今回は現金販売ではないので、現金は変化しません。その代わり、顧客から現金を回収する権利である、売掛金(accounts receivable)を$1,800計上します。

売掛金(accounts receivable)は「receivable」ですので、「債権」と訳して、資産(assets)に計上されることを覚えておきましょう。

「receivable」は資産(assets)

「payable」は負債(liabilities)


さて、今回の取引で、資産が合計で$800増えました。この$800は事業単位(entity)が自ら稼ぎ出したものなので、留保利益(retained earnings)を$800計上します。この処理は、現金販売と同様ですね。

改めて説明の機会を設けますが、現金販売でも掛売り販売でも留保利益(retained earnings)を計上するということは、販売時点で利益(=収益(売上)-費用)を認識したということなんですね。

この収益・費用認識については、非常に重要ですので、改めてじっくりと説明させて頂きます。