Bunny Lake is Missing
1965年 イギリス
監督:オットー・プレミンジャー
出演:ローレンス・オリヴィエ、キャロル・リンレー、ケア・デュリア

◼️あらすじ

アンは娘のバニーと2人でロンドンに越してきたばかり。しかし、預けたはずの保育園からバニーが忽然と姿を消してしまう。また、不可解なことに保育園の職員は誰1人としてバニーの存在を把握していないという。

警察を呼ぶも、手がかりは無く捜査は難航。やがて警察はバニーが最初から存在していないのではと疑い始めるが…。



◼️感想

世の親をゾワッとさせる映画。
これは怖い。子を持つ親にとっては怖いです。

まず単純に我が子が忽然と姿を消してしまうというのは親にとっては決して起きて欲しくない悪夢ですが、本作は手がかり一切ナシというのが嫌〜な展開ですね。

預けた保育園の職員を問いただしても「そんな子はいませんけど?」と。

ふざけんな責任者出せバカヤロー!と声を荒げても、のれんに腕押し。平行線を辿るばかり。

娘のバニーが何の手がかりもなく失踪してしまった母親アンに観客は心から同情し、「本当にお気の毒に!一刻も早くバニーちゃんが見つかってほしい!」と切に願います。


ところがですよ。

本作の本当に嫌〜な展開はその後なんです。

誰1人としてバニーちゃんの姿を目撃していないということで、ある疑念がジワジワと沸いてきます。

そもそもバニーちゃんは存在してないのでは?

全ては母親アンの虚言なのでは?

警察が「その可能性の否定できない」という見解を示し始めたあたりから、観客の中にもアンに対する疑念が渦巻いてくるのです。

まさか我が子を必死に探すアンに限ってそんなはずは…。

でも、本当にアンの虚言だったらどうしよう…。

と、いちど心を寄せた相手から裏切られるのが怖いという人間の心理をグリグリと突いてきます。

実際に現実世界では悲劇のヒロインが実は犯人であったという事件もありますからねぇ。

そんなことが頭をよぎりながらも、「実はアンの虚言でした」という事実を突きつけられ奈落の底に突き落とされるのではないかと、観客の気持ちを延々と宙ぶらりんにさせる映画です。


ちなみに、本作の中では失踪するまでバニーちゃんの姿は一度も画面に映らないのがポイントです。一度も確認できていないバニーちゃんの存在をどうして観客が信じることができるでしょうか、というわけです。その点も上手いなぁ〜と思いました。

「まさか」が起きて欲しくないと願う観客の気持ちが、作り手の手のひらで終始コロコロされまくる一本。これぞ心理的なサスペンスの傑作!弄ばれたい方は是非どうぞ。

僕の評価:8点/10





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