みなさんご存知のようにフジテレビの『ほこ×たて』でのヤラセと虚偽が発覚しました。僕はこの番組はほとんど視たことないですが、だいたいの内容はわかっていて、本気でいい番組だと思ってた。ただ、やがてはこういうことになるであろう事は予想はしてたけど。
 こういう番組はネタ勝負なのだけど、ネタというのはもちろん無限にあるわけではないのでどんどん辛くなっていくのは必然である。だからネタありきの番組はどんどん苦しくなってしまうのだ。だけど観る人の感覚というのはどんどんエスカレートしていくものだから、内容も常に過激になっていかないと飽きられてしまう。そしてそれぞれのネタを担当しているディレクターは、演出というその番組を全体として演出するディレクターから、ただ撮って来るだけじゃなくてよりおもしろくしろと脅迫にも似た注文を受けることもある。そういったことが重なり合ってヤラセや虚偽の演出が生まれてしまう事が多いと思う。
 ただ最近僕が思うのが、今回の件で言えば司会のタカトシがかわいそうだなと。たぶんあの二人は番組の内容にはほとんど関わっていなくて、収録日にスタジオへ行っておおまかな番組の方向を打ち合わせして収録してるだけだと思うけど、こういう問題があると彼らのイメージに何かしら傷がついてしまう。まぁ、本当は司会をするなら番組の公正性などにもマネージング側がそれなりに気を配らなければならないのだろうけど、そんな事はできないし。
 僕は一応業界にいたからこういった背景を思いながらしかテレビを観られない。そしてヤラセや虚偽の演出は大なり小なりどこででも発生しているものであって、テレビ界の構造的な問題だと諦めている。
 僕は担当してないのだけど、最近終わった深夜の旅系の番組があって、実は内容の大半が嘘や制作側の都合で捻じ曲げられた酷いものだった。司会はビッグネームじゃないけど、ナレーションがそれなりに大物のタレントさんがやっていて、その番組を見かけるたびに、大学時代にフジテレビの深夜番組でご一緒させていただいたこともあって、そのナレーターさんがものすごく不憫だった。本当に馬鹿っぽくしかみえないんだもん。
 今回のタカトシも番組がたぶん終わってレギュラーが一つ減るだろうから、それだけでけっこうな打撃です。なので僕が言うのも何だけど、その後はもうこの一件は忘れてあげて欲しいなと思う。