昨日の帰りの飛行機では映画を観た。吉永小百合主演の『北のカナリアたち』。『告白』で一躍有名になった湊かなえが原作なんだけど、はっきり言って観る価値無し。我慢できずに途中で観るの止めた。
 監督は一応売れっ子の坂本順治なのだけど、たぶん原作も悪いけど演出も悪い。原作は『告白』の成功に咳かされて同じような手法を用いた作品を作らなきゃと言う強迫観念の元で書かれたと推測されるし、それをやっぱり『告白』に似せようとがんばった脚本もダメ。坂本順治の演出と配役も厳しい。
 世の中にはチャンスに恵まれずになかなか表にでられないクリエーターがたくさんいるのだけど、失敗の許されない現代の制作側は、どうしても過去の成功に頼って作家や監督を選んでしまう。そして名前のある人は自信が無かったら自ら断る勇気を持って欲しいと思う。
 そんなんで健さん主演の『鉄道員』を観た。この映画もそんなにいいわけじゃないけど、あの頃のヒロスエは良かったなと再認識。『おくりびと』なんかでもその瑞々しい時と同じ演技で全然成長してないのだけどね。