今日は群馬県出身のパンクおっさん、氷室京介の48歳の誕生日です。
前から書こうと思っていた、OFFICIAL PIRATES MIX すなわち
2008/9/1~2の武道館2Days音源のレビューを行いたいと思います。
レビューは基本、9/1のライブを元に行っています。
音源をお持ちの方は、ぜひ9/1音源を思い出しながらお読みください。
そうでない方は、アホやなぁと思いながらお読みください。
2008/9/1~2 武道館公演セットリスト
1. NATIVE STRANGER
2. SWEET REVOLUTION
3. Wild Romance
4. Girls Be Glamorous
5. Claudia
6. CRIME OF LOVE
7. MISTY~微妙に~
8. Be Yourself
9. ダイヤモンド・ダスト
10. STAY
11. SQUALL
12. HEAT
13. 季節が君だけを変える(9/2 B.BLUE)
14. MARIONETTE(9/2 FUNNY BOY)
15. Keep the faith
16. Say something
17. WILD AT NIGHT
18. IMAGE DOWN
EN
19. 魂を抱いてくれ
20. DEAR ALGERNON
21. RAINY BLUE
22. LOVER'S DAY
23. CLOUDY HEART (BOφWY Version)
(9/2 わがままジュリエット)
24. VIRGIN BEAT
25. LOVE&GAME
26. JEALOUSYを眠らせて
27. SUMMER GAME
28. ANGEL2003
氷室京介のソロ活動20周年記念ツアーのハイライト、9/1と2の武道館公演が、何とツアー中に
ネットのみで販売となった。
このライブ、ただレアであるというだけならわかる。しかし氷室のキャリアの中でも外すことのできない
名ライブが収録された貴重な音源である。特に9/1はそれまで発表されてきたどのライブ盤より
熱く、濃く、クオリティが高い。
2Daysライブの場合、初日はその会場の音響の特徴に合わせたPAの調整が不十分で、内容は
2日目の方が良いというのが定説である。
現に今回のツアーのスタートはさいたまスーパーアリーナ2Daysであったが、初日と2日目では
2日目の方が良かったということである。
しかしこの武道館2Daysに関しては、全く逆の結果となっている。
それは、やはり「360度ぐるっとオレのファン」に囲まれた状態で行われたことが大きい。
普段のアリーナと全く違うステージセッティング、観客との距離感、20周年という記念すべき年での
伝説の地「武道館」でのライブに対する観客の期待・・・
それらの要因全てがこの初日のライブを別格のものにした。
まずはイントロ。通常氷室のライブは仰々しいSEとライティング、ステージの仕掛けという演出で、
ショー的に幕を開ける。
しかしこの武道館では、そうしたものは一切無い。サポートメンバーがステージに上がり、
それぞれの楽器をおもむろに鳴らし、スタンバイ。そして氷室の登場。
「ハロー武道館!!」
そう、氷室がライブハウス武道館に帰ってきたのだ。
1曲目NATIVE STRANGERからハイテンションで飛ばしまくる。そのエンジンはチャーリー・パクストン。
彼のドラムは派手でありながらグルーブに富む。このライブではまさしくドラムの鬼と化している。
DAITAのギターはまだいつもの通り固い。この曲のソロなど、オリジナルが完成されていて
崩すことができないものは、彼は正確無比に弾く。
しかし、まるで音符を並べたかのように弾くため、機械的で歌心が足りない。
しかしそんなことはこのライブの迫力、会場がまさに一体となった異様な雰囲気の
中では何の障害にもならない。
SWEET REVOLUTION、Wild Romance、Girls Be Glamorous、Claudiaと、
通常のツアーでは最終コーナーを回るあたりに位置づけられる曲たちが、
この20周年ツアーでは氷室とオーディエンスをフルスロットルでスタートダッシュさせる。
特にこの武道館では、得も知れぬエネルギーが会場に満ちていくのがわかる。
DAITAも徐々にメタルモンスターっぷりを発揮し始め、続くCRIME OF LOVEでは
アウトロで彼の得意とするアーミングを効果的に交えた早弾きを炸裂させる。
そしてバラードおよびミドルテンポのパート。
MISTYは、正直ほとんど思い入れのない曲で、さほど重要視していなかった。
しかしこのツアーで大島秀一は本職のキーボードのみならずサックスでフレーズを歌い上げる。
DAITAくん、ギターでこれができるようにならんといかんよ。
さいたまで聴いた時もいいなと思ったけど、何本ものライブをこなした後のこの武道館は最高。
チャーリーも若いのに懐の深いドラムを聞かせる。この音源の特徴として、
PIRATES MIXというだけあってライン録りそのままと言っていいほど生音が
リアルに聴こえるという利点があるのだが、この曲でチャーリーが多用しているスネアの
ゴーストノート(聴こえるか聴こえないかのギリギリで鳴らす音)
は、本当に味わい深い。「グルーブ」というものをわかっているプレイだ。
そしてBe Yourself。スタジオバージョンよりエモーショナルなグルーブと歌唱だが、
ギターが今ひとつ。
曲の持つ意味を理解したプレイ、感情表現ができていない。
DAITAの苦手とするプレイだ。
続くダイヤモンド・ダストも同様。
氷室の歌唱は素晴らしいが、ギターソロでペケペケと弾かれてちょっと萎える。
もっとビブラートを効かせて、グリッサンドを交えるなどして、息吹を与えて欲しかった。
「顔で弾く」という表現があるが、それが全くない。つまりは味がないのだ。
しかしそのDAITAも、続くパートでは面目躍如に成功する。
「懐かしいのいくぞ~」
という氷室のMCに続いて演奏されたのは、全く懐かしくもない3曲(爆)
STAY、SQUALL、HEAT。
ここでDAITAは先ほどまで自分が酷評した人間とは思えないプレイを披露する。
それが「SQUALL」のソロ。出だしこそ音符を置きに行くような安全第一のプレイだが、
この曲独特のブルージーな横揺れのグルーブに乗った味のある、
流れるようなソロを聞かせる。
たしかにオリジナル音源と同じフレーズではあるが、DAITAは完全に自分のものにしている。
ストラトならでの透き通った、それでいて深みのあるサウンドも曲に合っている。
なんだDAITA、やればできるじゃん!正直すまんかった!
そしてHEAT。これは音源で残された氷室のライブの中で最も優れた歌唱であると断言できる。
この曲は、オリジナル音源でされているとおり、複数のボーカルが重ねられている。
どういうことかというと、ボーカル音源をオケと共に鳴らしつつ、それと同じラインを氷室自身が
歌って音に厚みを出しているのである。
以前よりこの曲に関しては「口パクではないか」と言われていたが、そういう人は
全く意図がわかっていない。
あくまでオリジナル音源のもつ分厚いボーカルを再現するための措置である。
そのボーカルラインを、この武道館ライブ初日の氷室は
一音たりとも一拍たりとも外さず完璧に歌っているのだ。
自分の声だから当たり前じゃないかという輩がいるだろうが、それなら一度やってみればいい。
録音した自分のボーカルラインを聴きながら、寸分たりとも違わぬタイミングで1曲歌いきることが
どれだけ大変なことか。
しかも氷室はライブで、ステージでオーディエンスに対峙しながら実現しているのである。
数あるライブ音源の中で、この氷室のボーカルは最も難易度が高く、完成度が高い。
2日目の音源と聴き比べてみればよくわかる。初日がいかに完璧なのかということが。
そしてついに本当に懐かしい曲たちになる。
初日は季節が君だけを変える、Marionette。2日目はB.BLUE、FUNNY BOYというラインナップ。
自分が参戦したさいたまスーパーアリーナ2日目では、これら4曲全てが演奏されていた。
その時は冷静に音を聴くことができなかったのだが、今回のOFFICIAL PIRATE MIXでじっくり
聴くことができてしまった。
できてしまったと表現したのは、じっくり聴くとやはりBOφWYの持っていたグルーブとは全く異なる
のっぺりとした音だとはっきりわかってしまったからである。
あの渾然一体としたバンドサウンドは再現できないものなのだろう。
しかしもちろんクオリティはすこぶる高く、氷室はバンド時代よりも数段上手いボーカルである。
BOφWYへの郷愁を漂わせた後、それを断ち切るのがKeep The Faithである。
KAT-TUNに提供したことから賛否両論、むしろ否の声を浴びたこの曲であるが、
このツアーの中で確実に氷室のモノと化していた。
何より、イントロの氷室の咆哮。
「Right, Now・・・」
BOφWYの2ndアルバム収録の「LONDON GAME」のエンディングで聴かれるものと寸分違わない。
そう、氷室はあの頃と何にも変わっちゃいない。
年齢と経験に伴う円熟味を身につけてはいるが、もともとパンクの人間なんだ。
Say Somethingでは会場全体が文字通り一つになる。
ギターソロ後のブレイクでの「ハッ!!」の掛け声は、一つの巨大な音塊と化した。
もはやこのオリジナル音源がGのつくバンドの演奏だとかどうでもよい事実である。
今この瞬間の氷室と自分たちの重なる瞬間、ただそれだけでいい。
過熱したパンク野郎、氷室。WILD AT NIGHTで爆発する。
客を煽る煽る。ギターソロ前のブレイクでは
「武道館ベイべあじゃsdfghjkl;’・」
と訳わからんくなってるw
そして十八番となった「センキュセンキュセンキュ・・・」連射砲。
他のアーティストがやるとただのアホである。しかしパンク野郎氷室がやると決まってしまう。
「気持ちいいぜ武道館!ライブハウス武道館!!」
さらにタマネギを炎上させる。
「パンクやるなら こういう具合にしゃさんせ!」
平成生まれに元ネタはわからないぜ!!
そうしてついに始まったIMAGE DOWN。
今までベースは弦楽器だと思っていたが、
このイントロのベースは、打楽器だ。
カウントと共に弾丸のごとく発射する重打撃音。
西山史晃がステージの定位置から客席向かって走り出す姿が見える。
本田毅がいつもより余計にくるくる廻る。
氷室が火をつけたタマネギ・ハウスが火の車と化す。
もう書いている自分も訳わからんくなっているw
実際、この音源を聴きながら運転していると、ボリュームを2つは確実に上げる。
低音を1つは確実に上げる。
スピードは時速5kmは確実に上がる(たった5kmかい!)
そして氷室の客を煽る声は、いつもより1音は確実に上ずっている。
明らかに常軌を逸したライブ
2008年9月1日は、こうして氷室とファンにとって特別な日となった。
アンコールは、一変して温かいムード。
「今日はホントに、気持ちいいよね~(´▽`)」
という氷室の何と気持ちよさそうな声だこと。
パンク野郎も、今や3児のパパ。
人生のステージを何度も上がってきた男のみ見せられる優しさ。
本田毅が絶賛したストロークで奏でる、魂を抱いてくれ、DEAR ALGERNON。
そしてその本田をサイドに演奏しようとした際に、セッティングしていたスタッフにギターのシールドを
ちょっと引っ張られて動揺してしまった氷室。
アドリブで
「そこをそうやるんだよ・・・何ならオレがそっち行こうか?」
と笑わせる。スタッフをネタに
「おめぇのせいで笑われちゃったじゃんかよ」でさらにドッカーンww
そこでにっこり
「愛してます(o^-')b」で、ドッカンドッカーン!!
今日で48歳になるおっさんに萌え~~!
「今日は雨降ってないけど、おまえらにも送ってやるよ」
ツンデレ!!
おちゃらけた後、何事もなかったように世界を変えるRAINY BLUE
惚れてまうやろ~~~!!!
大島秀一をフューチャーしたニューバージョンの「LOVER'S DAY 」。
CDで聴くのもいいが、これはライブで聴いた時の感動に勝るものはない。
追い討ちをかける「CLOUDY HEART (BOφWY Version)」および「わがままジュリエット」。
ただしこれもBOφWYのあの感じは出ていない。
ここでは主にチャーリーのドラムがそれを妨げている。
BOφWY、そして氷室の得意とする刹那さを感じさせながらもアップテンポなロック。
これを表現するには彼のドラムではできない。
日本人でなければできない。いや、正確に言うと
日本人の持つわび、さびの感情を理解する人間でなければ、
この曲の本当の意味を伝えることはできない。
余談だが、氷室のソロ作「Stranger」も同様である。
One Night Standのライブバージョンが、テクニック的にも音楽的にも最高だと言う人が多いだろうが、
自分は違う。ファーストアルバム収録バージョンが最もこの曲の真意を伝えている。
そのドラムを叩いているのが日本一のセッションドラマーとして知られる村上ポンタ秀一。
彼は常に歌詞を最初にもらってからレコーディングに望むという。
氷室がソロになって初めてのアルバム。この曲に込めたメッセージ。
まだまだ技術的にも完璧ではない当時の氷室のボーカル。
しかしあの頃の氷室が伝えたかったことを一番伝えているのが、村上ポンタ秀一のドラムである。
ハイハットの一音一音、スネアの一音一音が、氷室の伝えたい「痛み」を伝えてくる。
話を戻そう。
最後はもう、お祭。
CLOUDY HEARTの後、またあったまるのは難しいが、その難役を仰せつかった
「VIRGIN BEAT」。チャーリーのドラムが鬼だ。
定番中の定番、誰もが飽きたと思いつつ演奏されると嬉しい「LOVE&GAME」。
何度聴いても熱く、温かくなる「JEALOUSYを眠らせて」、「SUMMER GAME」。
そして、「ANGEL」。
2008Versionと言われた、オリジナルバージョンとANGEL2003の歌詞の混合バージョン。
誰もがそこに、ANGELの存在を感じていた。
そして、音源を耳にした私たちの心にも。
氷室の放ったPIRATESは、皆の耳を、心を奪うのに成功した。
これからもパンクで萌え~なおっさんでいてください。氷室京介様。
2008.10.7 タイマイ
p.s.最後に、おまけ。
今回のツアーで演奏されなかった曲です。
08-07-21 Easy Love.mp3
ダウンロード用リンク
さいたまスーパーアリーナ帰りに新宿某所でレコーディングしてまいりました。
タイで車運転しながら練習してました。基本、アホです。
前から書こうと思っていた、OFFICIAL PIRATES MIX すなわち
2008/9/1~2の武道館2Days音源のレビューを行いたいと思います。
レビューは基本、9/1のライブを元に行っています。
音源をお持ちの方は、ぜひ9/1音源を思い出しながらお読みください。
そうでない方は、アホやなぁと思いながらお読みください。
2008/9/1~2 武道館公演セットリスト
1. NATIVE STRANGER
2. SWEET REVOLUTION
3. Wild Romance
4. Girls Be Glamorous
5. Claudia
6. CRIME OF LOVE
7. MISTY~微妙に~
8. Be Yourself
9. ダイヤモンド・ダスト
10. STAY
11. SQUALL
12. HEAT
13. 季節が君だけを変える(9/2 B.BLUE)
14. MARIONETTE(9/2 FUNNY BOY)
15. Keep the faith
16. Say something
17. WILD AT NIGHT
18. IMAGE DOWN
EN
19. 魂を抱いてくれ
20. DEAR ALGERNON
21. RAINY BLUE
22. LOVER'S DAY
23. CLOUDY HEART (BOφWY Version)
(9/2 わがままジュリエット)
24. VIRGIN BEAT
25. LOVE&GAME
26. JEALOUSYを眠らせて
27. SUMMER GAME
28. ANGEL2003
氷室京介のソロ活動20周年記念ツアーのハイライト、9/1と2の武道館公演が、何とツアー中に
ネットのみで販売となった。
このライブ、ただレアであるというだけならわかる。しかし氷室のキャリアの中でも外すことのできない
名ライブが収録された貴重な音源である。特に9/1はそれまで発表されてきたどのライブ盤より
熱く、濃く、クオリティが高い。
2Daysライブの場合、初日はその会場の音響の特徴に合わせたPAの調整が不十分で、内容は
2日目の方が良いというのが定説である。
現に今回のツアーのスタートはさいたまスーパーアリーナ2Daysであったが、初日と2日目では
2日目の方が良かったということである。
しかしこの武道館2Daysに関しては、全く逆の結果となっている。
それは、やはり「360度ぐるっとオレのファン」に囲まれた状態で行われたことが大きい。
普段のアリーナと全く違うステージセッティング、観客との距離感、20周年という記念すべき年での
伝説の地「武道館」でのライブに対する観客の期待・・・
それらの要因全てがこの初日のライブを別格のものにした。
まずはイントロ。通常氷室のライブは仰々しいSEとライティング、ステージの仕掛けという演出で、
ショー的に幕を開ける。
しかしこの武道館では、そうしたものは一切無い。サポートメンバーがステージに上がり、
それぞれの楽器をおもむろに鳴らし、スタンバイ。そして氷室の登場。
「ハロー武道館!!」
そう、氷室がライブハウス武道館に帰ってきたのだ。
1曲目NATIVE STRANGERからハイテンションで飛ばしまくる。そのエンジンはチャーリー・パクストン。
彼のドラムは派手でありながらグルーブに富む。このライブではまさしくドラムの鬼と化している。
DAITAのギターはまだいつもの通り固い。この曲のソロなど、オリジナルが完成されていて
崩すことができないものは、彼は正確無比に弾く。
しかし、まるで音符を並べたかのように弾くため、機械的で歌心が足りない。
しかしそんなことはこのライブの迫力、会場がまさに一体となった異様な雰囲気の
中では何の障害にもならない。
SWEET REVOLUTION、Wild Romance、Girls Be Glamorous、Claudiaと、
通常のツアーでは最終コーナーを回るあたりに位置づけられる曲たちが、
この20周年ツアーでは氷室とオーディエンスをフルスロットルでスタートダッシュさせる。
特にこの武道館では、得も知れぬエネルギーが会場に満ちていくのがわかる。
DAITAも徐々にメタルモンスターっぷりを発揮し始め、続くCRIME OF LOVEでは
アウトロで彼の得意とするアーミングを効果的に交えた早弾きを炸裂させる。
そしてバラードおよびミドルテンポのパート。
MISTYは、正直ほとんど思い入れのない曲で、さほど重要視していなかった。
しかしこのツアーで大島秀一は本職のキーボードのみならずサックスでフレーズを歌い上げる。
DAITAくん、ギターでこれができるようにならんといかんよ。
さいたまで聴いた時もいいなと思ったけど、何本ものライブをこなした後のこの武道館は最高。
チャーリーも若いのに懐の深いドラムを聞かせる。この音源の特徴として、
PIRATES MIXというだけあってライン録りそのままと言っていいほど生音が
リアルに聴こえるという利点があるのだが、この曲でチャーリーが多用しているスネアの
ゴーストノート(聴こえるか聴こえないかのギリギリで鳴らす音)
は、本当に味わい深い。「グルーブ」というものをわかっているプレイだ。
そしてBe Yourself。スタジオバージョンよりエモーショナルなグルーブと歌唱だが、
ギターが今ひとつ。
曲の持つ意味を理解したプレイ、感情表現ができていない。
DAITAの苦手とするプレイだ。
続くダイヤモンド・ダストも同様。
氷室の歌唱は素晴らしいが、ギターソロでペケペケと弾かれてちょっと萎える。
もっとビブラートを効かせて、グリッサンドを交えるなどして、息吹を与えて欲しかった。
「顔で弾く」という表現があるが、それが全くない。つまりは味がないのだ。
しかしそのDAITAも、続くパートでは面目躍如に成功する。
「懐かしいのいくぞ~」
という氷室のMCに続いて演奏されたのは、全く懐かしくもない3曲(爆)
STAY、SQUALL、HEAT。
ここでDAITAは先ほどまで自分が酷評した人間とは思えないプレイを披露する。
それが「SQUALL」のソロ。出だしこそ音符を置きに行くような安全第一のプレイだが、
この曲独特のブルージーな横揺れのグルーブに乗った味のある、
流れるようなソロを聞かせる。
たしかにオリジナル音源と同じフレーズではあるが、DAITAは完全に自分のものにしている。
ストラトならでの透き通った、それでいて深みのあるサウンドも曲に合っている。
なんだDAITA、やればできるじゃん!正直すまんかった!
そしてHEAT。これは音源で残された氷室のライブの中で最も優れた歌唱であると断言できる。
この曲は、オリジナル音源でされているとおり、複数のボーカルが重ねられている。
どういうことかというと、ボーカル音源をオケと共に鳴らしつつ、それと同じラインを氷室自身が
歌って音に厚みを出しているのである。
以前よりこの曲に関しては「口パクではないか」と言われていたが、そういう人は
全く意図がわかっていない。
あくまでオリジナル音源のもつ分厚いボーカルを再現するための措置である。
そのボーカルラインを、この武道館ライブ初日の氷室は
一音たりとも一拍たりとも外さず完璧に歌っているのだ。
自分の声だから当たり前じゃないかという輩がいるだろうが、それなら一度やってみればいい。
録音した自分のボーカルラインを聴きながら、寸分たりとも違わぬタイミングで1曲歌いきることが
どれだけ大変なことか。
しかも氷室はライブで、ステージでオーディエンスに対峙しながら実現しているのである。
数あるライブ音源の中で、この氷室のボーカルは最も難易度が高く、完成度が高い。
2日目の音源と聴き比べてみればよくわかる。初日がいかに完璧なのかということが。
そしてついに本当に懐かしい曲たちになる。
初日は季節が君だけを変える、Marionette。2日目はB.BLUE、FUNNY BOYというラインナップ。
自分が参戦したさいたまスーパーアリーナ2日目では、これら4曲全てが演奏されていた。
その時は冷静に音を聴くことができなかったのだが、今回のOFFICIAL PIRATE MIXでじっくり
聴くことができてしまった。
できてしまったと表現したのは、じっくり聴くとやはりBOφWYの持っていたグルーブとは全く異なる
のっぺりとした音だとはっきりわかってしまったからである。
あの渾然一体としたバンドサウンドは再現できないものなのだろう。
しかしもちろんクオリティはすこぶる高く、氷室はバンド時代よりも数段上手いボーカルである。
BOφWYへの郷愁を漂わせた後、それを断ち切るのがKeep The Faithである。
KAT-TUNに提供したことから賛否両論、むしろ否の声を浴びたこの曲であるが、
このツアーの中で確実に氷室のモノと化していた。
何より、イントロの氷室の咆哮。
「Right, Now・・・」
BOφWYの2ndアルバム収録の「LONDON GAME」のエンディングで聴かれるものと寸分違わない。
そう、氷室はあの頃と何にも変わっちゃいない。
年齢と経験に伴う円熟味を身につけてはいるが、もともとパンクの人間なんだ。
Say Somethingでは会場全体が文字通り一つになる。
ギターソロ後のブレイクでの「ハッ!!」の掛け声は、一つの巨大な音塊と化した。
もはやこのオリジナル音源がGのつくバンドの演奏だとかどうでもよい事実である。
今この瞬間の氷室と自分たちの重なる瞬間、ただそれだけでいい。
過熱したパンク野郎、氷室。WILD AT NIGHTで爆発する。
客を煽る煽る。ギターソロ前のブレイクでは
「武道館ベイべあじゃsdfghjkl;’・」
と訳わからんくなってるw
そして十八番となった「センキュセンキュセンキュ・・・」連射砲。
他のアーティストがやるとただのアホである。しかしパンク野郎氷室がやると決まってしまう。
「気持ちいいぜ武道館!ライブハウス武道館!!」
さらにタマネギを炎上させる。
「パンクやるなら こういう具合にしゃさんせ!」
平成生まれに元ネタはわからないぜ!!
そうしてついに始まったIMAGE DOWN。
今までベースは弦楽器だと思っていたが、
このイントロのベースは、打楽器だ。
カウントと共に弾丸のごとく発射する重打撃音。
西山史晃がステージの定位置から客席向かって走り出す姿が見える。
本田毅がいつもより余計にくるくる廻る。
氷室が火をつけたタマネギ・ハウスが火の車と化す。
もう書いている自分も訳わからんくなっているw
実際、この音源を聴きながら運転していると、ボリュームを2つは確実に上げる。
低音を1つは確実に上げる。
スピードは時速5kmは確実に上がる(たった5kmかい!)
そして氷室の客を煽る声は、いつもより1音は確実に上ずっている。
明らかに常軌を逸したライブ
2008年9月1日は、こうして氷室とファンにとって特別な日となった。
アンコールは、一変して温かいムード。
「今日はホントに、気持ちいいよね~(´▽`)」
という氷室の何と気持ちよさそうな声だこと。
パンク野郎も、今や3児のパパ。
人生のステージを何度も上がってきた男のみ見せられる優しさ。
本田毅が絶賛したストロークで奏でる、魂を抱いてくれ、DEAR ALGERNON。
そしてその本田をサイドに演奏しようとした際に、セッティングしていたスタッフにギターのシールドを
ちょっと引っ張られて動揺してしまった氷室。
アドリブで
「そこをそうやるんだよ・・・何ならオレがそっち行こうか?」
と笑わせる。スタッフをネタに
「おめぇのせいで笑われちゃったじゃんかよ」でさらにドッカーンww
そこでにっこり
「愛してます(o^-')b」で、ドッカンドッカーン!!
今日で48歳になるおっさんに萌え~~!
「今日は雨降ってないけど、おまえらにも送ってやるよ」
ツンデレ!!
おちゃらけた後、何事もなかったように世界を変えるRAINY BLUE
惚れてまうやろ~~~!!!
大島秀一をフューチャーしたニューバージョンの「LOVER'S DAY 」。
CDで聴くのもいいが、これはライブで聴いた時の感動に勝るものはない。
追い討ちをかける「CLOUDY HEART (BOφWY Version)」および「わがままジュリエット」。
ただしこれもBOφWYのあの感じは出ていない。
ここでは主にチャーリーのドラムがそれを妨げている。
BOφWY、そして氷室の得意とする刹那さを感じさせながらもアップテンポなロック。
これを表現するには彼のドラムではできない。
日本人でなければできない。いや、正確に言うと
日本人の持つわび、さびの感情を理解する人間でなければ、
この曲の本当の意味を伝えることはできない。
余談だが、氷室のソロ作「Stranger」も同様である。
One Night Standのライブバージョンが、テクニック的にも音楽的にも最高だと言う人が多いだろうが、
自分は違う。ファーストアルバム収録バージョンが最もこの曲の真意を伝えている。
そのドラムを叩いているのが日本一のセッションドラマーとして知られる村上ポンタ秀一。
彼は常に歌詞を最初にもらってからレコーディングに望むという。
氷室がソロになって初めてのアルバム。この曲に込めたメッセージ。
まだまだ技術的にも完璧ではない当時の氷室のボーカル。
しかしあの頃の氷室が伝えたかったことを一番伝えているのが、村上ポンタ秀一のドラムである。
ハイハットの一音一音、スネアの一音一音が、氷室の伝えたい「痛み」を伝えてくる。
話を戻そう。
最後はもう、お祭。
CLOUDY HEARTの後、またあったまるのは難しいが、その難役を仰せつかった
「VIRGIN BEAT」。チャーリーのドラムが鬼だ。
定番中の定番、誰もが飽きたと思いつつ演奏されると嬉しい「LOVE&GAME」。
何度聴いても熱く、温かくなる「JEALOUSYを眠らせて」、「SUMMER GAME」。
そして、「ANGEL」。
2008Versionと言われた、オリジナルバージョンとANGEL2003の歌詞の混合バージョン。
誰もがそこに、ANGELの存在を感じていた。
そして、音源を耳にした私たちの心にも。
氷室の放ったPIRATESは、皆の耳を、心を奪うのに成功した。
これからもパンクで萌え~なおっさんでいてください。氷室京介様。
2008.10.7 タイマイ
p.s.最後に、おまけ。
今回のツアーで演奏されなかった曲です。
08-07-21 Easy Love.mp3
ダウンロード用リンク
さいたまスーパーアリーナ帰りに新宿某所でレコーディングしてまいりました。
タイで車運転しながら練習してました。基本、アホです。