5月29日01時25分、タイの首都バンコク都バーンガピ区フアマーク副区ラムカムヘン通りソイ32のレストランの前で、車に轢かれた男性(56歳)の遺体が見つかった。男性の親戚は「現金1万バーツと携帯電話機を持っていた」と主張していたが、事故現場に男性の貴重品は無かった。また、男性の顔に殴打されたような跡と、体中に不審な斬り傷があったため、警察当局は殺人事件の可能性もあると疑い、捜査を開始した。

まず、司法解剖の結果、事故死でないことが判明した。そのほかの調べでは、男性は3年前に妻(現在52歳)と離婚しており、死亡時の保険金200万バーツの受取人がその元妻になっていた。一方、死亡した当日、足が不自由な女A(27歳、古式マッサージ店もみ師)と会社から一緒に出て行く所が目撃されており、警察当局はこの女Aから事情を聴いた。すると、4名の男とグルになり、交通事故を装い男性を殺害した事実が明らかになった。

この女Aによれば、知人の男B(36歳)に男性と親しくなるよう5千バーツの報酬で依頼され、わざと間違い電話をかけて親しくなり、3回デートした。4回目のデートは事件当日で、パタナーガーン通りのビアホール「タワンデーン」に一緒に行った。そこで男C(34歳)と男D(40歳)と合流。その後23時00分ごろ、ビアホールから出て、通りで待機させていた男E(33歳)が運転士を装ったタクシーに乗り込み、その車中で黒のポリ袋を男性の頭に被せ、全員で殴打。男性をぐったりとさせた後、交通事故死に見せかけるために刃物で全身に斬り傷をつくり、道路中央に男性を放置したと言う。

その後、警察当局は6月2日10時00分までに、女Aと、男B、C、D、Eの合計5名を殺人などの疑いで逮捕した。男4名は取り調べに対し、「男性の元妻に20万バーツの報酬で交通事故に見せかけた殺人を依頼された。元妻は『男性が事故で死ねば200万バーツが手に入る』と言っていた」と口を揃えており、警察当局は保険金詐取の疑いで元妻を逮捕する方針で行方を追っている。