ベトナムの海外直接投資(FDI)は先進国の景気回復に連動して増加しています。2009年FDI合計(認可総額)は214億ドルで、2009年のベトナムはFDI投資先国として世界12位(出所、ブルームバーグ)でした。
FDI投資先国順位は、第1位が中国、第2位は米国、第3位はインド、そしてブラジル、ドイツ、ポーランド、豪州、メキシコ、カナダ、イギリス、UAEと続き、12位がベトナムと続きます。
ベトナムが海外からFDIを呼び込んでいる理由としては、ベトナムの持続的な経済成長や2007年のWTO(世界貿易機関)加盟によって一層の規制緩和を期待できることなどを高く評価したものと考えられます。
第1四半期の海外直接投資(FDI)をみてみると、実行総額は前年同期比13.6%増の25億ドルと急増しました。一方、第1四半期の海外直接投資(FDI)の認可総額も前年同期比29%増の21億ドルと急伸しています。21億ドルの内で新規登録プロジェクト(139個)によるものが19億ドルを占めています。国別の認可総額では、米国の認可総額が9.8億ドル、次いで2位の韓国が5.85億ドル、3位のシンガポールが1.47億ドルとなっています。
一方、分野別では、不動産セクターが引き続きFDI認可総額の58.2%を占め、FDIを引き付けています。次いで2位が運輸・倉庫業セクターで認可総額の16.85%、そして製造業が12.4%となっています。
2010年は、世界的な景気回復に伴って、過去2年間の大量の認可総額が具体化され、実行総額は増加していくものと予想されています。FDI実行総額増加は2010年の経済成長を牽引するとともに、現在の為替を安定させ、貿易赤字を相殺する資本流入としても期待されています。
ベトナムの脆弱なインフラ・熟練労働者の不足にも関わらず、一人当たり国民所得(2009年)が1060ドルと1000ドルを超え、経済の飛躍期に入りつつあることに海外の投資家が敏感に反応しているのでしょう。