メコンデルタでは農家によるサトウキビの作付面積が急増しつつあります。原因はサトウキビ不足によるサトウキビの価格上昇。昨年、中部ベトナムを襲った台風でサトウキビ農園に被害がでたこともあり、サトウキビの価格は昨年11月に1キロ当たり850-900ドンだったのが、現在は1200-1450ドンにまで急騰していることが原因です。
昨年来の海外粗糖市場をみると、ニューヨーク先物取引所(NYBOT)の粗糖先物は昨年初には12ドル程度でしたが、各国の在庫減少と2年前までは粗糖純輸出国で大消費国でもあるインドが旱魃のためにサトウキビが不作だったことから、(粗糖先物は)昨年後半には20ドルを超え、年初には29ドル近辺まで値を上げました。現在、粗糖先物は20ドル弱程度で推移しています。しかし、長期の粗糖先物チャートを見る限り、粗糖先物は長く続いたボックス相場を上抜けしたようにもみえます。
世界最大のサトウキビ生産国はブラジルで4億1626万トン(2004年)を生産しています。ベトナムは2004年時点では世界17位の1588万トンですが、近年急速に生産量を伸ばしつつあります。実際、サトウキビ生産量は1994年から2004年までの10年間で6倍となっています。
現在、ベトナムの各製糖工場は高い買い付け価格を提示しているにもかかわらず、原料となるサトウキビを買い集められない状況のため、稼働率は低くなっています。最新の推計ではメコンデルタのサトウキビ作付面積は前年比で少なくとも30%増になったといいます。製菓企業、飲料水企業などへの影響も懸念されます。