タイ・アピシット首相、UDDと交渉へ | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 日本でも広く報道されているように、17日午前に親タクシン派・反独裁民主戦線(UDD)は日本人駐在員など多く住む地域として知られるスクンビット地区にあるアピシット首相私邸入り口に16日に集めた集会支持者らの血液をばら撒いたようです。
 
 これに対して、アピシット首相は昨日(18日)午後、赤服集会対策本部が置かれている近衛部隊第11駐屯地で、タクシン派団体の反独裁民主戦線(UDD)との交渉に応じる考えを明らかにしています。但し、前提条件として、UDDが法の範囲内での活動をすること、公的機関や特定の人物の私邸を包囲や脅迫をしないことを挙げています。

 タイの「マイペンラーイ」な国民性から(血をばら撒くなど)過激な行動はただのポーズに過ぎないとは思いますが、集団行動は暴力を内容にしているので事態の推移を見守りたいと思います。ぜひ交渉でなんとかできれば良いのですが、タクシン氏の凍結資産の半分没収(注)というところに変化がない限りはなかなか妥協案は難しいと思います。

(注)2010年2月26日、裁判所はタクシン元首相の凍結資産760億バーツのうち、460億バーツが特権乱用で不正貯蓄されたとして没収判決を出した。

 但し、配当シーズンに入ったタイ株式市場ですが、政治混乱はSET指数には過激化しない限り大きな影響はないと思われます。

 それにしても、アピシット首相の私邸がソイ31奥のユーロホテル近辺にあることはすっかり有名になってしまいました。近辺はレストラン、カラオケなどの多い商業地なので付近の商売に影響が出ているはずです。また、日本人が非常に多い地域でもあります。局地的なことではあるのですが、できるだけ、付近を通るのは避けた方が良いとは思います。