ベトナムの海岸線は3000キロ超と長く、その8.6%では強風が吹きます。また、ベトナムには地上65メートルで風速毎秒7メートル以上を確保できる土地が約2万8000平方キロメートル存在するともいわれています。なかでも、南中部のビントゥアン省、ニントゥアン省、ビンディン省、ラムドン省、チャーヴィン省、ソクチャン省は風力発電の潜在能力の高さが注目されています。
特に、ビントゥアン省とニントゥアン省は強風に加えて(国家)送電線や主要幹線道路に近いこと、平坦地であること、人口密度が低いことなど風力発電に好条件を揃えています。試算では、この2省だけで風力発電潜在能力は出力数万メガワットとされます。
![ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100310/11/thai-avc/0c/c6/j/o0400030010445295881.jpg?caw=800)
ビントゥアン省の観光地ムイネー北東40キロの国道1A号線近くにある風力発電施設。
昨年7月には、ベトナム商工会(VCCI)はドイツ技術協力組織(GTZ)と提携、GTZは2009年~2011年にかけてネットワーク風力向けの技術協力に100万ユーロを援助することを決定しました。また、昨年9月にはドイツ系ファーランダー(Fuhrlaender)風力発電ベトナム社がビントゥアン省の風力発電タービン製造工場に投資(2500万ドル)することを決定しています。これは国内初の風力発電タービン製造工場になります。第1フェーズでは1機当たりの出力1.5メガワットのタービンを20機製造できる工場を、第2フェーズでは出力2.5メガワットのタービン48機を製造できる工場を建設計画で、最終的なタービン年産能力は89.4メガワットとなる計画です。