ベトナム初となるホーチミン市の「地下鉄」の建設契約が予定よりも2年余り遅れてようやく今年中に締結となる見通しです。ホーチミン市人民委員会では2年ほど前に地下鉄の路線ルート計画を立てたのですが、ルート上にある家屋の立ち退きの進捗に大幅に手間取り計画は大幅に遅滞していました。
ホーチミン市の「地下鉄」は総工費11億ドルで内80%は日本からのODA、残りの20%はホーチミン市の予算で賄います。ホーチミン市当局によると、昨年(2009年)の建設資材の値上がりで総工費予想額は当初計画から倍増したといいます。
ホーチミン市の「地下鉄」は市内中心部・ベンタン市場から9区のスーイティン(Suoi Tien)公園までの全長19.7キロ(内2.5キロは地下部分)で、14つの駅(内3駅は地下部分)を設置予定です。予定開業年は2019年で、2020年には一日当たり52万6000人、2040年には80万人の旅客利用者を見込んでいます。
ベトナムではホーチミン市だけではなく、ハノイでも地下鉄建設計画のための調査が開始されています。一方、JICA(国際協力機構)では2007年の(メコンデルタの)カントー橋崩落事故を踏まえて、技術助言委員会を設置。地下鉄工事の技術的助言を行って建築中の安全に万全を期す構えです。
地下鉄はホーチミン市内の交通渋滞を緩和し、現在多発している交通事故を未然に防止する効果も期待されています。