ベトナムの国内自動車販売 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 ベトナム自動車工業会(VAMA)によれば、加盟16社の2009年自動車販売額合計は前年比7%増となったようです。特徴的なのは「勝ち組」と「負け組」がはっきりしたこと。

 加盟16社の内7社の自動車販売額は前年比で11-62%減少しました。残りの9社の販売額は増加していますが、9社の内2社は一桁の伸びに過ぎませんでした。一方で、残り7社の販売額は22-60%増と極めて好調に推移しました。

 販売額が最も伸びたのはメルセデスベンツの60%増です。平均販売価格は10億ドン(円換算約500万円)と高級自動車の販売が好調でした。第2位は販売額50%増のベトナムモーターズ(VMC)。これは中国の奇瑞汽車(Chery Automobile Co)製造の超小型車のチェリーQQの販売が好調だったのが理由です。第3位はGM大宇で販売額は29%増です。しかし、2008年の販売額増加率は46%だったので伸び悩み感があります。

 第4位はわずかな差で販売額28%増のフォード。フォードは顧客満足度インデックス(SSI)でも上位にランキングされています。第5位はビナスター(三菱自動車)。ビナスターは全車種モデルが順調に販売を伸ばしているところに特徴があります。

 現在、ベトナム当局には貿易赤字削減のために高級品である完成自動車の輸入を制限する動きがみられます。もし、こうした動きが具体化した場合には今回第1位のメルセデスベンツが最も打撃を受けることになると予想されます。

 ベトナムの2009年の自動車販売台数合計約12万台弱です。しかし・・正直なところ、道路インフラがあまり整備されていない現状で自動車販売台数がこれ以上増加するのもどうなのかなという印象も受けます。ホーチミン市内はバイクの群れで渋滞が常態の状況で、道路には排気ガスと砂埃が舞い上がっています。「つい数百年前までここはジャングルだったのだろうに、いまはバイクの大群。今後数百年後のホーチミン市は一体どうなっているのでしょうか」。