ベトナムの「平民食堂」 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

「平民食堂」とはベトナム語の「コム・ビン・ザン」を直訳したものです。「コム」は「ご飯」、「ビン・ザン」は漢越語で漢字で書けば「平民」。つまり平民(庶民)のための食堂というわけです。

 平民食堂では写真のように店頭に出来合いの惣菜ががたくさん作って並べられています。そして、指差しで注文できます。ご飯とスープもデフォルトで付いてきます。惣菜は、野菜、肉、魚、タマゴ類と種類も豊富です。味は店によりますがニョクマム(魚醤)味と濃い味付けが特徴です。

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 平民食堂の多種のおかず類。ホーチミン長期滞在者からは大勢で行くと安くなると聞いた。

 値段は、店によって違います。どうやら都市の中心部から離れれば離れるほど安くなるようです。写真はファームグラーオ通りの平民食堂で値段は25000ドン(125円)位でした。ファームグラーオは中心部に近い場所です。

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 平民食堂の料理の写真。左側はバサ魚の煮付け。

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 雰囲気は写真の通り。店番がおかず、スープ、ご飯を装ってくれます。

 おそらく、ベトナムの平民食堂の味は日本人の口に合うでしょう。醤油をニョクマムに代えて味を濃くしたような感じです。要するに日本の味と大差はありません。

 ここでタイの「ぶっ掛け飯食堂」を思い出してしまいます。タイの「ぶっ掛け飯食堂」の味は、スパイシー(spicy)でパンジェント(pungent)で刺激に富みます。日本やベトナムの醤油味とは違うスパイス、ハーブ、チリが何重にも折り重なった複雑妙味な味です。ハーブ類の重ね合わせが素晴らしい。絵に例えれば、日本料理は「水墨画」。一方のタイ料理は「油絵」のようです。どちらが美味しいかと聞かれれば、私の場合は値段などを考慮した総合力でタイ料理の方が美味しいと答えるでしょう(もちろん、その時の料理次第です)。ただし、(平均的)日本人は繊細な水墨画の味を好むと思われます。(平均的)日本人は刺激や変化を好まないからです。

 個人的には、ハーブ・チリなど盛りだくさんのトムヤムスープの華やかな旨さの前には水墨画の魚醤または醤油味ばかりの料理の味に派手さは無くつまらなく感じます。要するに、(私の場合は)旨さならタイ料理、毎日食べるならベトナム料理というかんじでしょうか。

 ここで、将来、アジアへ長期滞在を予定されている方々に一言。「食生活」は大事です。タイの味覚は日本の味覚とは多少違います。もし、タイ料理を辛いだけの味覚音痴の味と思われるようならタイ長期滞在は無理でしょう。その場合は、私はベトナムへ長期滞在をされることをお奨めします。

(追記)
 決して、日本料理やベトナム料理が不味いといっているわけではありませんので宜しくお願いします。タイ在住中に、「タイ料理が辛くて不味い」といって異文化に適応できない(またはしようとしない)人(特にお年寄り)を多くみすぎてきましたのでちょっと言い方がきつくなったかもしれません。なぜ、あの複雑妙味なタイ料理のパンジェントでエモーショナルな味を理解できないのかとても不思議でした。日本料理もベトナム料理も非常に美味しいと付記しておきます。私はカレーライスは大好物です。もちろん、タニシもね。グッド!