アジアに長期滞在するときに注意すべきこと | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 10月29日から10月31日までプノンペンに滞在しました。実働したのは10月30日の1日だけでしたが、その1日だけで10名の方に面会することができ、色々な有益な時間となりました。

 なかには、カンボジアに20年近く滞在されて、現在プノンペンでレストランを経営されている方、日系企業で陣頭指揮を執られておられる方などがいらっしゃいます。そうした方々が口を合わせてカンボジアで注意すべきこととしてあげられたことがあるので、それを今日は書きます。

 まず、その前提として、カンボジアやベトナムなどアジアに長期滞在したりする場合・アジアに投資しようとする場合には、我々日本人は外国人となります。しかし、外国人、特に日本人として特別扱いされて「得な場面」と逆に「損な場面」に遭遇することになります。

「得な場面」は、
・「日本人イコールお金持ち」というイメージでホテルやレストラン(またはパブ)などで厚く接客されること。
・外国人だからということで少々の労をいとわず頼みごとも聞いてくれるし、特別扱いもしてもらえること等々。

「損な場面」は、
・言葉がわからない。
・習慣がわからない。(例えば、タクシーの乗り方、レストランでの支払い方などが日本と違うなど)
・物価も日本よりかなり安いし、「外国人イコール金持ち」というイメージからボラレることが多々ある。等々。

 そうしたなか、言葉が分からない・習慣が分からないetc.の日本人は「日本語を話す現地人」や同胞の「日本人」を見つけると言葉が通じるために一気に緊張が解けるケースが多々あります。

 ここで、話は本筋に戻ります。実は、カンボジアでビジネスをしておられる現地滞在日本人の方々が口を揃えてカンボジアで注意すべきこととは、「日本語を話す現地人に気をつけること」そして「日本人には気をつけること」の2点です。

「日本語を話すカンボジア人」については、最初は日本に憧れて日本語を勉強したり、日本に留学したりして日本語を真面目に勉強したのだと思われます。しかし、その内、日本企業などで日本語が話せるカンボジア人として重宝され、日本人と付き合っていく内に日本人が非常に素朴で騙されやすいことに気付くそうです。そして、手っ取り早くお金になる騙しの専門家になる人もいるようです。更に、味をしめて行く内に日本人を騙す専門家として凶悪化する人も・・・

 一方、「詐欺日本人」の方ですが、これは以前からマニラゴロ、バンコクゴロ、香港ゴロなどと呼ばれていました。それのプノンペンゴロ版です。カンボジアで聞いたのは、「日本人は日本人に騙され」、「韓国人は韓国人を騙され」、「中国人は中国人に騙され」る傾向があるとのことです。

 注意していればなんでもないのですが、ついつい国内では信用するはずのない人を海外で信じて大切な財産を盗られたのでは浮かばれません。海外で直接・間接の投資するときには細心の注意を払うことが重要です。

 老婆心から、思い付く注意すべき点を箇条書きしておきます。
・その人物のトラックレコード(過去)をよく調べること(過去は変えられません)。
・その人物の評判を他の信頼できる日本人に訊ねる事。
・その人物のしゃべっていることが真実か否か、注意して実際に調べること。例えば、レストラン経営をしているというのなら実際にそのレストランに行って訊いてみる。なかには自分とはなんの関係もないレストランを自分が経営しているという詐欺師もいるらしい。
・日本人社会全般の情報に通じること、等々でしょうか。

 例えば、日本には民法に同時履行の原則(民法533条)という有名な規定があって日本では常識化しています。しかし、海外では違います。カンボジアだけではなく、海外では決して最初に現金を支払ってはいけません。現金を支払ったが、全く反対給付が履行されないなんていうことはよくあることです。海外では事実上、外国人である我々を当該国の法律が守ってくれないということを認識すべきだと思います。

 日本がどうしようもない閉塞感のど真ん中にあり、円高の今、海外(特にアジア)に出て投資したいという動きは今後どんどん大きくなっていくと予想します。そして、それは市場理論に適った動きだと思います。それだから、あえて、ここで注意を喚起したいと思います。

 これはカンボジアだけではなく、ベトナムやタイでも同様のことが当てはまります。最後に、今回のカンボジア出張では実際に日本人詐欺師に騙された方にたまたまお会いした、と付け加えておきます。最近、日本では「騙される方が悪い」というアメリカ流の考え方が流行っていますが、「騙す方が悪い」に決まっています。ゴロは数名に過ぎないはず。十分に注意して、その国で情報網を確立し、怪しい人物は相手にしないことが肝心だと思います。