ウォーレン・バフェットの哲学 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 本日は、バンコクポスト紙別冊「スペクトラム(Spectrum)」に掲載されていた著名投資家ウォーレン・バフェットの記事を簡単にご紹介します。

 バフェット氏はコロンビア大学在学時に投資の古典的名著「賢明なる投資家」の著者ベンジャミン・グラハムに大きな影響を受けました。やがてバフェットは、予想成長率からみて割安な株価の企業を探し出す独自の手法を活用することで、グラハムの投資戦略をさらに前進させます。特に「ブランド力」などの無形資産評価について、無用な緻密さに拘泥することなく現実的・実際的な評価を行い、主にブルーチップ(優良)株長期投資で成功した投資家といえます。

 彼の別名は「オマハの賢人」。米国の片田舎・オマハで平凡な住宅に住み、古い車に乗っているのは有名な話。今も、小さなオフィスで数人のスタッフとともに仕事をしています。

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 バンコクポスト紙別冊「スペクトラム」の写真

 以下「スペクトラム」からの要点の抜粋です。

☆食事について
「ダイエットのために年間100万カロリー未満のカロリー摂取を目標にしている。1日当たりのカロリー目標はナンセンスだと思う。食べたいときは食べれば良い。但し、その埋め合わせはする。つまり、年間目標値だけをクリアすればいいわけだ」

 短期的な目標は駄目なんですね。長期的な目標を作成し、それに向かって邁進するのが良いようです。また、厳密な数値を目標にしていることも特徴的ですね。

「私の子供が小さい頃は毎年目標体重を決めて、一年後有効の1万ドルの小切手を作ったものだ。つまり、若し、目標体重を超過したら小切手は子供のお小遣いになるというわけさ。でも一度も目標体重を超えることはなかったね」

 オカネを失うと思えば、ダイエットにも励みますね。インセンティブは重要です。

☆デリバティブ(派生商品)について
 バフェット氏は1998年に「デリバティブはセックスのようなものだ。つまり、我々が誰と寝ているかではなくて、重要なのは相手が誰と寝ているかなんだ(Derivatives are like sex. It is not who we are sleeping with, it is who they are sleeping with that is the problem.)」とデリバティブ取引に対して警告を発しています。2002年には「デリバティブ取引が金融機関を破壊するだろう」と予言。見事に、サブプライム問題を見る限り、正解でした。

☆「成功」について
「億万長者は皆、オカネですべてが手に入るなんて思ってはいないよ。年を取った時の成功のモノサシはオカネじゃなくて、自分を愛してくれる人がこの世に何人存在するかということ。いくら銀行口座にオカネが山ほどある人でも誰もその人のことを愛するひとがいないならば、最悪の人生だね」

☆「愛」について
「愛」も「成功」と似ているね。「愛」は「セックス」や「晩餐会ディナー」と違ってオカネでは買えないからね。「愛」を得る方法はたった一つだけ。それは「愛されるようになること(The only way to get love is to be lovable.)」のみ。若し、あなたが億万長者ならば、全くイライラする現実だと思うよ。きっと、オカネで「愛」を得ることができたらなんて幸せだろう・・と思うだろうねえ」

(続く)