タイの雨季とセントラル・パタナ(CPN) | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 北緯5度から北緯20度に位置するタイは、熱帯モンスーン気候に属しています。熱帯モンスーン気候は、一年が雨季と乾季に分かれているのが特徴。タイはいま丁度、雨季の終わりに当たっています。そしてこの時期は、例年大雨となるため、各地で洪水の被害が出やすくなります。

 11月1日朝には、タイ西部ターク県で20時間以上続いた豪雨で、同県メソート郡内の貯水池が氾濫し洪水となりました。チャオプラヤ川の支流のピン川も一部地域で氾濫したようです。昨日もアユタヤ県の洪水で犠牲者が出た模様。タイだけではなく、同じく熱帯モンスーン気候のベトナム・ハノイでも先週からの雨で洪水となっているようす。被害があまり広がらないことを祈りたいです。

 一方で大雨は、もうすぐ雨季が終わり乾季となる「シグナル」でもあります。

 今月12日(陰暦12月満月の日)には、タイでは「ロイクラトーン」という大きなお祭りがあります。この祭りでは川に灯篭を流して水の神様に感謝を捧げ、幸運を祈ります。乾季から雨季への変わり目に行われるソンクラーン祭り(水掛祭り)と、雨季から乾季への変わり目のロイクラトーン祭り(灯篭流し)は、タイの2大お祭りです。

 ロイクラトーン祭りが特に盛大で有名なのが、歴史と史跡の町「スコータイ」です。スコータイはバンコクの北400キロ、バンコクから車で約4時間強。灯篭流しやコムローイと呼ばれる蝋燭気球を上げたり、スコータイ遺跡を背景にレーザー光線ショーをしたりして盛り上がります。もしこの観光に行かれるなら、この時期各地は観光客でごった返すので、あらかじめホテルを予約されることをお奨めします。

 話変わって、昨日はセントラル・パタナ(CPN)へ行ってきました。セントラル・パタナは流通大手「セントラルグループ」の中核企業で、ショッピングモール、デパートなどを開発・運営しています。 小売り用スペースの市場シェアはタイ最大の23%。第2位は「モールグループ(非上場)」の11%です。

 CPNの08年上半期純利益は、前年同期比34%増の11億3700万バーツ。景気減速の影響は多少はあるもののテナントへの長期賃貸契約29%、固定賃貸料契約が52%、売上比例賃貸料契約が19%と、固定賃貸料のテナントが大きく今のところほとんど影響は受けていない、とのこと。インフレ懸念が強かった7月頃は耐久消費財(大型電子機器、家具など)の売上がやや低迷したものの、インフレ懸念後退とともにここに来て売上回復中です。

 今後パタヤ(09年2月開店予定)、チョンブリ(09年7月開店予定)、コンケーン(09年12月開店予定)などに新規デパートの出店を予定しています。日本ではデパートは「斜陽産業」気味なのですが、タイでは日本でいう70年代の半ばから後半位に当たるのでしょうか・・・まだまだ地方部にはデパートの出店余地が大きくあります。

 CPNのデパートへの投資は、IRR(内部収益率)で15%を投資するかどうかの基準にしています。つまり投資回収期間は5年以下。確か80年代後半のバブル時の日本のデパートの投資回収期間は約30年だったと記憶しています。その後、日本のデパートのなかで破綻する企業が多かったのは当然の成り行きだったかもしれません。

 CPNの「旗艦店」は、バンコク中心部にある「セントラルワールド」というデパートです。この店に限っては外人観光客もターゲットに設定しています。2006年12月にオープンした非常に綺麗なデパートですので、バンコク観光の際は見学を兼ねて訪問されることをお奨めします。レストラン街は和食店が多く充実しています。雨のなかで写りが良くないですが写真をアップしておきます。

「セントラルワールド」の外観


「セントラルワールド」中は吹き抜けになっている


設備は日本のビルとほとんど変わらない