世界株安は「キャッシュアウト」→「リパトリエイション(資金の本国回帰)」 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 金曜日のNYダウ指数の3.73%安を受け、本日27日の日経平均株価は、2003年4月28日に記録したバブル崩壊後の最安値終値7607.88円(日中安値で7603.76円)を割れ、終値は前週末比486.18円安の7162.90円。バブル経済以前の26年前(1982年10月)と同じ水準となっています。要するに、日経平均のチャートは「ぶっ壊れた」のです。

 一方、タイ・SET市場も全面安商状。SET指数は45.44ポイント(10.50%)安の387.43ポイントで取引を終えました。16時04分(日本時間18時04分)にはSET指数が前営業日終値より10%以上下落したことから、タイ証券取引所(SET)はサーキットブレーカーを発動し、取引が30分間停止。市場ではすべての業種が下落。なかでも大型株のエネルギー株、銀行株、運輸株の値下がりが目立ちます。今後、SETは370ポイントの支持線を試す展開になりそうです。

 これらの下落を一言で言えば、「換金売り」に尽きると思います。世界の株式市場、石油市場、穀物市場、貴金属市場から投機資金が「キャッシュ(現金=つまり米ドル)」に逃げています。「リパトリエイション(資金の本国回帰)」です。将来の米国経済悪化を見越し、相場はいったん「ご破算で願いましては・・」ということでしょう。今後は一時的な反騰はあるとしても、相場に関わる人間にとっては辛くて長い期間が当分続きそうです。

 そんな中ふと思うのは、日本は「米国から中国への覇権移動(パラダイムシフト)」のキャスティングボードを握っている国なのではないかということです。あくまで思いつきですが、もし日本がこのポジションを生かすなら、有利に働くような気がします。

 しかし、いまの日本をみていると「戦略」という漢字は知って(apprehend)いて口癖のように「戦略・戦略・・」と空念仏を繰り返す人はいても、本質的な意味を理解(comprehend)していない人が大多数のような気がします。例えば・・・将来、日本「円」と中国「元」が欧州通貨ユーロのようにコンバージョン(統合)すれば機軸通貨は北米から東アジアへ確実に移動します。そもそも「YEN」と「YUAN」の語源は同じなのです。・・が・・リスクのある発想は日本では好まれませんから、やはり想像の範囲内ですね。