チャムロン氏逮捕。ソムチャイ新首相の対話路線はどうなるのか。 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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 反政府組織「市民民主連合(PAD)」のリーダーの一人であるチャムロン元バンコク都知事が、バンコク都知事選投票日の10月5日午前8時頃に、都内ドゥシット区の投票所で逮捕されました。

 容疑は、PADが8月26日に政府庁舎を不法占拠したことを理由とする国家反逆罪など。翌27日にはチャムロン氏を含むPAD幹部9人の逮捕状が出ていましたが、非常事態宣言(すでに解除)のため陸軍司令官が強権発動を嫌い、逮捕を見送ってきたという経緯があります。

 ソムチャイ新首相はPADとの対話路線をとっていただけに、政府内にも抵抗勢力があることが伺えます。今後は、政府とPADとの対立激化が懸念されます。

 一方「平均的な」タイ国民は、警察によるチャムロン氏の逮捕を、「秩序回復のために必要なこと」と肯定的に受け止めているようです。つまり「これでPADのデモが早く終わる」「終わって欲しい・・」というわけです。

 タイ国民が欲しているのは、複雑な(政府内外の)タイ社会上層部での政争ではなく、具体的な政策、特に「経済対策」ではないでしょうか。

 写真はバンコクのBTS駅構内で、昨日(5日)午後6時に撮影したもの。タイでは毎日午後6時になると、国歌がラジオ、TV、構内放送で演奏されます。このときタイ人は、写真のようにBTS構内を歩いていても、直立不動になります。ちょっとわかりにくかもしれませんが、みんな歩いている途中でも、静止しています。