行き場を失ったお金は、ゴールド(金)市場に向かうのか? | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 このところの米金融危機の影響で、ゴールド(金)価格が高騰しています。

 参照グラフhttp://www.research.gold.org/prices/

 米国株式市場が一日としては過去最大の下げに見舞われた29日、ゴールド価格は4.9%上昇しました。これは金融不安から株式市場で換金売りした資金が、その逃げ場としてゴールド市場に向かったものとみられています。

 タイでのゴールド価格は、先週末時点で1B=先週末の13,900バーツだったのが、今週30日には14,300バーツに上昇しています。
※注意 タイの金の取引単位1B(バーツ)=15.16グラム。金の重量の単位も「バーツ」と、通貨と同じで紛らわしいです。
(写真↓はゴールド価格上昇を伝えるバンコクポスト紙)



 しかし、ゴールドが本当に資本の逃避先になるのかどうかは、まだなんともいえません。素材としての実需の用途が限られているからです。

 「安きを買う」という視点からみれば、同じ商品の農産物(アグリカルチャー)価格は現在、低迷しています。特にゴムは30日、東京工業品取引所で6%下落し年初来安値で取引を終えました。これは景気後退による自動車や自動車タイヤの需要減少を見込んだものです。

 ところで、日本は世界第2位の経済大国でゴムの大量需要がある国です。なのになぜ、シカゴのように商品市場が発展していないのか不思議です。「規制」とか「補助金」というものは、やはり産業の成長を抑制するもののようです。