コミュニケーション能力 | 堀鉄平弁護士の意見書

コミュニケーション能力

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仕事で茨城に週1で通っています。

弁護士の仕事ではないのですが、弁護士で培った知識・経験・ノウハウをフル稼動する必要があります。


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ペコリm(__)m
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今年から、毎週木曜日朝に弁護士・秘書全員で朝礼を行っています。

一週間ごとに、事務所経営の報告をして一体感を高めるのと、ディベートなどを通して弁護士のコミュニケーション能力を高めることが目的です。

今日は、無免許運転を繰り返し、刑事訴追された被告人をどのように弁護するか?というディベートをしました。

実刑だけは避けなければならない事件ですが、刑事事件では、国選弁護で通り一遍の弁論だけして、うまく被告人を弁護できない弁護士をよく見かけます。

弁護士は全員司法試験に受かっていますが、そんなものはペーパーテストをパスしただけであって、実務では関係ありません。

いかに現場で揉まれて、異業種の秀才たちと切磋琢磨して、交渉術やコミュニケーション能力、プレゼン力を高いレベルで身につけているかが、弁護士の腕に直結するところです。

先の事案では、被告人が免許を持たずに運転したのは確かに違法ですが、それが原因で既に会社を懲戒解雇されており、十分制裁を受けている→実刑は行き過ぎというロジックを、いかに裁判員に印象づけるかが弁護士の腕の見せどころです。

僕なら、勤めていた会社を懲戒解雇されることのインパクトを強烈に印象づけるよう、あるときは数字をあげ(日本の雇用情勢のデータを引用しながら、再就職率の低さを際立たせます)、あるときは懲戒解雇された人の解雇後の悲惨なエピソードを紹介し(聞く人の涙を誘いたいところです)、この被告人はもう十分制裁を受けており、これに加えて刑務所に行けというのは、無免許運転をしただけの対価としてはあまりに残酷であると弁論します。

よくあるのは、「この被告人は会社を懲戒解雇されており、既に制裁を受けています」とだけさらっと触れて終わるパターンですが、全く説得力はありません。

闘う弁護士は、熱い弁論ができないとダメです。


ペコリ

以上