「まずはパパの言う通りやってみる。
ケド、その時々で私、また悩むかも知れない。
その時はパパ、また相談に乗ってくれる?」
「もちろんだよアイハ。
ありがとう。
一緒にがんばろうか。
もう一人で悩まなくていいよ。
家族なんだ。
一緒に考えていこう」
「うん。
パパ……ありがとう」
「うん。
じゃあ早速なんだけどこの計器はね……」
とパパはマシンについて色々教えてくれた。
全然わからなくて早くも挫けそうになったケド、ママの為に一生懸命メモを取った。
…ママ…
私、まだどう生きていけばいいか、わからない。
だけど、悔いのないようにしたいとは思っているよ。
ママ……
ママがこの“マシン”に入ったこと、まだ意味はわからない。
だけど、どんなママだって私は愛しているから。
だからママ。
パパと三人で一緒にがんばろう。
これからパパとおじいちゃんと三人で見ていくから……
一筋の涙と一緒に、今までのたくさんの思い出が溢れ出してきた。
家族で一緒に暮らしたかった。
あの、
パパとママと公園に行ったあの日のように……
パパが帰って来たら、全てが変わると信じていた。
ずっと、
パパが帰って来たら幸せになれるって信じていた。
ママは……どんな気持ちだったんだろう……
たった一人で幼い私を育ててくれたのに、私はママをないがしろにしてパパの元へ行ってしまった……
ママが苦しい時に、
私は笑っていた……
ママ……
私……
心がぎゅうっと押し潰されそうになって、胸を締め付けた。
止めどなく涙を流す私を、パパはそっと抱き締めてくれた。
私は押し潰されそうな心を必死に耐えた。
私が……
私がしっかりしなきゃ……
部屋の中ではただ静かにママの心電図の音だけが鳴り響いていた。
「……パパ……ブシおじいちゃんにはなんて言おう?」
「ああ……連絡……しなきゃな。
パパが電話するよ。
アイハ電話あるかい?」
「いや……家に置いてきちゃった。
ごめんなさい」
「いや、いいんだ。
じゃあ帰ってからにしよう」
「うん……」