おはようございます。ここ、吉野梅郷は、昨夜から、雨が、降り続きます。時折、激しい、雨が、トタン屋根を、叩く、音を、聞いて、いると、かって、青梅市内でも、冠水被害の、見られた、あの、時の、大雨を、思い出します。あの、時は、居住地域でも、崖崩れが、数カ所、起きました。そんな、被害が、起こらないことを、願っています。

 

日影和田村 目医者伝 15

 

 日影和田村、初代、目医者 東雲の、後を、次いだのが、目医者として、隆盛を、もたらした、と云われる、日影和田村、2代目、目医者、佐右衛門です。佐右衛門は、広告文を、作り、配ったり、また、武州御嶽神社詣道中記、「御嶽菅笠」の、スポンサーに、なったりして、日影和田村の、目医者の、宣伝にも、力を、入れ、家業発展にも、務めました。「佐右衛門」という、名は、父、「東雲」と、云う、名が、通称であり、本名は、「佐右衛門」と、考えられる点(日影和田村差出し明細帳の、名主の、署名蘭から)から、父、「佐右衛門」を、世襲したものと、考えられます。もし、父、「佐衛門=東雲」が、仮に、「佐右衛門」を、名告って、居なかったら、曾祖父に、「佐衛門」を、名告る、人物がいたので、その、名を、世襲したものと、考えられます。この、2代目、日影和田村、目医者、佐衛門は、目医者家業を、広めるため、「眼病食物の事」とか、施薬、「白虎丹」の、効能書、「白虎丹能書」なども、作り、配って、いたようです。「眼病食物の事」には、次のような、記述が、見られます。

 「眼病食物の事」

一、大麦、うるち米、うるちあわ、あづき

一、黒豆、ささげ類、さといも、やまのいも

一、つくねいも、人参、ごぼう、くろごま

一、蓮根、くわゐ、みつば、たんぽぽ

一 、おおばこ、くこ、かぶ、かぶのひば

一、くさぎのは、うど、しろうり、とうぐん

一、すいくは、ぜんぶ、くり、かんぴょう

一、くず、とうふ、あめ、かつをぶし

一、あじ、とびうお、あかゑい、あわび

一、あかがい

 右の外決して用ゆべからず

 

 患者食を、こう、定めるところなど、2代目、日影和田村、目医者、佐右衛門の、医療に、対する、研究熱心さなども、伝わって、きます。また、眼病薬、白虎丹の、効能を、宣伝する、「白虎丹能書」には、次の、ように、記されて、います。

「白虎丹能書」

一、熱気をさます薬加味する故、痛みによし

一、わる血を追う薬加味する故、はれ、赤筋、かゆみによし

一、風気を追う薬かみする故はやりめによし

一、きずを治す薬かみする故、つきめ、うち目によし

一、星雲は油肉なり、あふらをけすくすりうみとる故、くもほしによし

 白虎丹の、効能が、分かり易く、伝わってきます。2代目、日影和田村、目医者、佐右衛門の、目医者経営の、一端が、垣間見えて、くるかのようです。目医者の、広告文や、道中記の、スポンサーに、なったり、また、眼病患者のための、患者食を、まとめたり、さらに、眼病治療に、用いる、白虎丹の、効能書を、記すなり、2代目、日影和田村、目医者、佐右衛門は、医療熱心であり、また、医療経営の、充実にも、大変、熱心で、あったように、思えます。そのように、させた、一因か゛、あると、すれば、それは、初代、日影和田村、目医者、東雲に、あったように、思えます。東雲は、宝暦箱訴事件と、呼ばれる、「増永運上減免願」や、「牢舎赦免願」などを、求めた、農民運動で、日影和田村の、代表者として、33才の、若さで、百姓の、代表1名と、共に、代官所などへ、出府しています。この時、東雲が、既に、目医者として、医療に、携わっていたか、どうかは、はっきりと、しませんが、この時、一緒に、行った、百姓だけは、「宿預け」の、「過怠」処分を、申し渡されたのに、対して、東雲は、帰村を、許されているという、特別扱いとも、思われる、措置からは、東雲は、すでに、目医者として、医療に、携わっていたのでは、ないかとも、推察できるのです。その後、東雲は、名主も、務めて、いたようです。そんな、東雲でしたが、33才の、時、農民運動も、経験しています。医療者として、この、農民運動を、経験した、東雲は、何を、見て、どんな、思いを、いだいたのでしょうか。おそらく、医療者としての、立場から、描く、村政の、理想的な、姿も、描いて、いたものと、思われます。後に、名主を、務めるように、なった時、その、姿を、実現するために、東雲は、目医者家業を、おろそかに、するということは、なかったことは、当然の、ことでしょうが、どちらかと、云えば、「名主 東雲」としての、立場の、方が、重く、なって、いったものと、考えられます。息子、2代目、日影和田村、目医者、佐右衛門は、その、姿を、目の当たりに、していた、ものと、思われます。そんな、父の、姿を、見ていた、佐衛門は、目医者経営に、より、力を、入れるように、なっていったものとも、考えられるのです。佐右衛門の、あの、エネルギーは、こうした、中で、培われて、いったような、気が、するのです。 (続く)

 

「白虎丹能書」木版

 

「効能」木版

 

「眼病食物之事」木版

                                                

 

参照

青梅市史史料集第二十七号 宝暦箱訴事件 ー多摩人の抵抗のこころをさぐってー

青梅市史史料集第二十七号 村明細帳 (二)

青梅市広報第209号 市内めぐり歩き 和田の目医者