こんにちは。ここ、吉野梅郷は、朝から、細かな、雨が、降り続きます。明日も、雨の、1日に、なりそうとか。この、時期に、降り続く、特有の、雨と、なりそうです。例年、この、雨に、櫻の、花を、心配すること、度々なのですが、今年は、櫻の、花の、開花の、気配は、見られず、その、心配を、することも、なさそうです。今年は、2月から、3月にかけて、開花する、花々の、開花状況は、見事、二つに、分かれました。梅や、片栗、そして、菜の花などは、例年より、早く、開花しています。それに、対して、櫻の、花だけが、その、開花を、遅らせています。近年、早まって、きている、櫻の、開花状況から、今年は、一昨日、昨日に、櫻祭を、開催したところが、かなり、あったようです。ほとんど、櫻の、花の、開花なしでの、櫻祭の、会場が、殆どで、あったようです。主催者に、してみれば、頭の、痛い、ところですね。これが、一週間後の、今週末には、かなりの、開花が、期待、できる、と聞けば、なんとも、複雑な、氣持ちに、なりますね。近年、花々の、開花状況の、予測が、難しく、なってきています。
もったいない読書で、鴎外全集(岩波書店 刊)を、読み進めています。過日、第14巻を、読み終え、昨日、第15巻の「境事件」を、読み終えた、ところまできています。作品で、いうと、先週は、「護持院原の敵討」、「ノラ」、「聖ニコラスの夜」、「消火栓」、「大盬平八郎」、「稲妻」、「境事件」と、読み繫いで、きました。大正2年(1913年)10月から、大正3年(1914)年の、2月の、間に、三田文学や、昴、歌舞伎などの、雑誌に、掲載された、作品です。爺めに、とっては、「世間から、高等講談と言はれる歴史小説(鴎外全集(岩波書店) 15巻 月報 木下杢太郎 )」と、言われた、「護持院原の敵討」、「大盬平八郎」、「境事件」、そして、あの、有名な、イプセンの、「ノラ」は、大変、楽しく、読めた、作品でした。歴史小説3点からは、「武士道」の、一端を、垣間見せられたかのような、氣持ちに、なり、背筋に、冷やっとした、ものが、流れたかのような、感覚にすら、なった、作品でした。武士の宿命とか、仇討ちの、掟とか、切腹の作法とか、切腹の、状況とか‥、「軍人」たる、鴎外が、つい、そんなに、遠い、昔の、出来事ではない、事件を、ベースに、まとめた、作品で、あるからなのでしょうか。特に、「境事件」の、切腹の場面など、今の時代に、生きる、爺め等、一般人など、想像すら、できない、場面として、恐怖を、伴い、迫って、くるのです。爺めに、とっては、軽々しく、「武士道」など
と、言う、言葉は、使えないな、さう、思わざろう、得なかった、場面でした。この、「境事件」という、作品は、大正3年(1914年)2月1日発行の雑誌、「新小説」に、鴎外の、署名を、もって、掲載されています。鴎外の、作家としての、方向性を、決定づけた(歴史小説に向かう)と、された、乃木将軍の殉死(明治44年9月)以後の、歴史小説の、一つです。乃木将軍の、殉死に、大きな、影響を、受けた、鴎外は、「境事件」の、切腹の場面や、壮絶な、死に方を、していく、土佐藩士の、生き様や、自分の意志とは、別な、理由から、切腹を、許され、生き残こざろうを、得なかった、土佐藩士の、その後の、人生を、描く、ことに、よって、どんな、思いを、伝えようとしたのでしょうか。「大盬平八郎」という、作品は、大正3年(1914年)1月1日発行の、雑誌、中央公論に、鴎外の署名を、もって、掲載されています。この、作品には、「付録」と、題された、作品も、あります。こちらの、作品は、大正3年(1914年)1月1日発行の、雑誌、三田文学に、大盬平八郎と題し、森林太郎の署名を、もって掲載されています。この、大盬平八郎という、作品については、中村星湖は、大正3年3月「文章世界」の「2月の文壇より」の、中で、以下の、ように、述べています。『森鴎外氏の「大盬平八郎は、歴史物とは言ひながら、作者が最近の幸徳秋水事件を頭に置いて書いたらしい所に私一個の興味があった。』さらに、『現代の生活に暗示を与へるやうな書き振りと或事件を繞ってをる種々の性格、或事件の爲に犠牲を出したり、犠牲になったりする人々の細かい心持ちも簡単ながらよく覗はれた。』とも、記します。(鴎外全集第15巻 月報から)中村星湖は、この、作品に、「幸徳秋水事件」を、みていたのです。臼井吉見に、よれば、「幸徳秋水事件」については、鴎外なりに、対処した、言われます。その、作品が、「五条秀麿」シリーズの作品だと、言われて、いますが、それらの、作品に、みられる、鴎外の、思いと、この、中村星湖の、言う、「大盬平八郎」という、作品に、見られる、鴎外の、「幸徳秋水事件」への、思いは、同じもものが、描かれているのでしょうか、それとも、まったく、違った、鴎外の、思いが、描かれているのでしょうか。興味あるところです。次回、「ノラ」という、翻訳物も、からめて、考えて、いって、みたいと、思います。
もったいない読書 金言抄 夏目漱石全集(筑摩書房 刊)から 32
- 初冬や 竹切る山の 鉈の音
- 雪の日や 火燵をすべる 土佐日記
- 山路来て 馬やり過す 小春哉
- 橋朽ちて 冬川枯るる 月夜かな
- 日の入や 秋風遠く 鳴って來る
- 凩に 早鐘つくや 増上寺
- 谷の家 竹法螺の音に 時雨けり
- 武蔵野を 横に振る降る 冬の雨
- 一つ家の ひそかに雪に 埋もれけり
- 冬の雨 柿の合羽の わびしさよ