三十年を振り返る!!! その七 その日は突然きた!
悩んだ末に、レスリング・ユニオンを辞めた武尊青年。
それは、決して希望の光がなくなった訳ではない。
拙者は、西田レフェリーの言葉を信じて、週末屋台村のある神奈川県鶴見へと向かう!
まずはどういう所か?できたらご挨拶も兼ねて観に行こうと思って到着。
トイレによると…
「本当に来たんだ?!」
西田レフェリーとばったり会う。
控え室に案内された拙者。
そこには、あのテレビ中継で観ていた“2メートル人間バズーカ”高野俊二改めて、高野拳磁さんがいた。
なんて声をかけられたか忘れてしまったが、プロレス界特有の挨拶であるシェイクハンドで拙者の手を包み込むように握手してくださった。
緊張の中、しばらく控え室にいると…
「コイツ、上げちゃえよ?」
そこには、若かれしサバイバル飛田さんくらいしかいなくて、選手不足だったのだろう。
たまたま観に来た拙者にリングに上がって試合をしろという高野さん。
今では考えられないが、拙者にとってはいきなりのチャンスでもあった。
忘れもしない三十年前の三月二十六日。
対戦相手は、サバイバル飛田さん。
プロレスラー、武尊青年の誕生である!!
借り物のコスチュームで入場。
「本日デビュー!」
独特なアナウンスで紹介するのはブレーメン大島さん。今でも年賀状のやり取りはしている。
裁くのはもちろん、西田レフェリー。
屋台村マニアにとってはたまらない組み合わせだろう。
正直、レスリング・ユニオンではまだロクにプロレスの事は教わっていなかった拙者は、お腹にギロチンドロップしたのと、デビュー戦でいきなりパワーボムを喰らうという事しか覚えていないまま、終了。
とにかく、あっという間の、これが『非公式』のプロレスデビュー戦だった。
続く