最近、こどものアレルギー性鼻炎が増えたのはもともと多かった1年中タイプに加えて、花粉症が増えたから。

ほとんどは大人になっても続く。



と、いうことはいかにこどものうちに、その芽を摘むことができるかにかかる。



古典的アレルギーマーチ  という概念がある。


アトピー体質で生まれ

→食物アレルギー

→アトピー性皮膚炎

→ぜんそく

→アレルギー性鼻炎

→成人型気管支ぜんそく



と、年齢がすすむにつれて、色々なアレルギー疾患が発症していく模様をいう。

最近はアレルギー性鼻炎の低年齢化が言われているので見直しが必要であるが、そこは「古典的」ということでひとつ・・・。



なので、

こどものアレルギー性鼻炎は他のアレルギー疾患との兼ね合いを見ながら広い視野で治療に取り組まないといけない。



治療の段階的な見方


アレルギーの素質がある子のいかに原因から予防できるか

→原因から守れなかった子をいかに発症を予防できるか

→発症してしまった子をいかに重症化させずに防ぐか


と、いうことでその段階ごとに重症化する前までにこどもを守る必要が大人の責任。

アレルギーが出そうなものにこどもを晒さないこと。

予防第一。




残念ながら完璧な治療法はないが2~3試みがあるので紹介してみる。


①減感作療法

現行は皮下接種法。ただし、アナフィラキシー注意。これはとても危ない。通院も複数年・数十回で負担大。


舌下法導入が期待されている。この方法の整備が必要なのは未熟な消化管のこどもに抗原が入ったときの反応と安全性にある。



②ワクチン

有効性はありそうだが開発途上。

まだまだ先が長い。



③乳酸菌

微生物入りの食品摂取で免疫応答に影響させてアレルギーに有効性を出してみようという方法。

これは危険が少ないのでいいかもしれない。



と、いうわけで完璧な方法がないとは言っても別にあきらめている疾患ではなく、一つ一つがしっかり整備されていけば、未来に期待度はしっかりある。





こどものアレルギー性鼻炎の合併症として

①気管支ぜんそく

②アレルギー性結膜炎

③慢性副鼻腔炎


が挙げられる。


今回はアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の合併に着目する。



アレルギー性鼻炎の罹患者で、感染所見が認められなくても、

レントゲンで副鼻腔炎を示す陰影を認める例は意外と多い。


10歳未満で50%近く、10代で45%ほどになると言われている。


こどもは副鼻腔構造も発育段階で、

分泌腺も多く、

のどちんこの裏近くにあるアデノイド(咽頭扁桃)がまだ大きいので、

換気が悪く、分泌障害が多く、

以上から感染しやすいことに副鼻腔炎を生じやすいと言われている。


アレルギー性鼻炎+副鼻腔炎 合併例は、

副鼻腔炎は長引きやすく、治療にも抵抗性があると思われがちだが、

意外と治療効果は、

副鼻腔炎単独例とアレルギー性鼻炎+副鼻腔炎合併例との差はほとんどない。


合併が見つかったからといってあまり慌てる必要はない。

むしろ、透明の鼻水だからアレルギーだとタカをくくって見過ごしているよりも、

副鼻腔炎の存在を早く見つけて、適切な治療を受けるべきで、

それができれば結果はそう悪くない。

前向きに見つけにいくべし。

鼻漏のメカニズム


今回の話は鼻水の根本について。


鼻粘膜の表面にはもともとある量の分泌物があって線毛といううぶ毛と層を作っている。

分泌物は線毛運動という毛の流れで鼻 → のど と伝わって飲み込んでいて、正常量では自覚しない。


<構成>

①粘液 : 鼻副鼻腔粘膜固有層の粘液腺・漿液腺、上皮杯細胞から分泌される。

②血液・組織液の移行物

③涙液

④呼気水分


<成分>

①糖たんぱく

②免疫物質


<役割>

細菌、ウイルスから気道を防御している。


前述のとおり、鼻漏はその性状の観察が大事。

Ⅰ)漿液性(水様性)鼻漏

<代表疾患>

①急性鼻炎初期

②急性副鼻腔炎初期

③アレルギー性鼻炎


<出方>

鼻粘膜表面の肥満細胞 →ヒスタミン→ 鼻粘膜の三叉神経終末を刺激 → 上唾液核(分泌の中枢)刺激 → 副交感神経経由 → 粘膜下腺の分泌を促す


Ⅱ)膿性鼻漏

<代表疾患>

①副鼻腔炎

②歯性上顎洞炎(歯から来るチクノウ)

③副鼻腔真菌症(カビでなるチクノウ)

④鼻内異物(鼻に何かつめこんで菌がついてきたとき)


<出方>

炎症 → 杯細胞増える → 鼻腺増殖 → 鼻漏UP


ウイルス感染後に細菌が着いて増える → 戦いのために好中球UP → 膿性鼻漏UP


Ⅲ)血性鼻漏

<代表疾患>

①副鼻腔炎

②歯性上顎洞炎

③副鼻腔真菌症

④鼻副鼻腔悪性腫瘍


以上のあらすじを知っておけばどんな鼻水が出てるから、今、どのくらい鼻が悪いかだいたいの予想がつく。

鼻洗いは血性である場合は、時として目クラ滅法洗っていいというものでもないが、それ以外の場合はうがい感覚でがんばって鼻洗いを実行したほうが治癒の早道。

あとは医療側がかんばって薬を考えないといけない。

鼻漏はとにかくしつこい。

タッグを組んで戦う必要がある。