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稀勢の里、大関昇進へ

 11月27日、福岡国際センターで行われていた、大相撲九州場所は横綱・白鵬関14勝1敗の成績で優勝し、幕を閉じました。


 この場所で大きな注目を集めていたのは、地元・福岡県柳川市出身の新大関・琴奨菊関、この場所に大関昇進をかけていた関脇・稀勢の里関の二人でした。

 

 琴奨菊関は、途中4連敗はあったものの、新大関としては合格点ともいえる11勝4敗の成績を収め、地元ファンの熱い声援に応えた形となりました。

 

 さて、一方の稀勢の里関ですが、序盤戦こそ順調に勝ち星を重ねていきましたが、後半戦は大関昇進というプレッシャーにさいなまれたのか、相撲ぶりに彼本来の思いっきりがなく、固くなっている感じが、テレビで見ている僕にも伝わってきていました。

 「昇進のノルマ」は直近3場所で33勝が必要とされていましたが、14日目、稀勢の里関栃乃若関を押し出して10勝目を挙げた時点、つまり、直近3場所で32勝になった時点で事実上の「大関昇進」が審判部の話し合いの中で決定されたのです。

 僕自身、この対応で気になったのは、稀勢の里関が千秋楽の琴奨菊関との対戦の前に、稀勢の里関が自分が大関に昇進することがわかってしまっていたことです。

 稀勢の里関は、それまでの緊張の糸が切れて、ホッとしてしまったのか、琴奨菊関との「ライバル対決」に敗れてしまいました。

 昇進かどうかわからない状態で稀勢の里関琴奨菊関と対戦していたら…、そう思うと「何とかならなかったのか?」という思いがよぎったんです。


 大相撲界は今年、野球賭博に多数の力士が関与したことで、3月の大阪場所が中止に追い込まれるなど、大きな危機に見舞われました。

 5月は「技量審査場所」として、「原則非公開」という異常な形での開催となり、7月名古屋、9月両国、11月福岡と開催したものの、観客の減少に歯止めがかからない状態です。


 そこで、何とか大相撲を盛り上げようと、今場所には琴奨菊関が新大関に昇進、このところ今年一年で横綱・白鵬関に3勝を挙げている稀勢の里関も大関に…というムードが高まっていたことは事実なんですが、「ファンがワクワクするような演出」に欠けた「千秋楽前日の夜の大関決定」だったように思います。


 10代で新十両、10代で新入幕、10代で新三役と「将来の横綱」と早くから嘱望されていた稀勢の里関期待料込みながら、ようやく「新大関」に昇進します。

 早くから彼に期待を寄せていた僕からしたら、この時期の「新大関」昇進は遅いぐらいなんですが、大関を通過点として、横綱まで駆け上がってほしいところです。

 

 それが大相撲ファンの、そして、九州場所開幕前に逝去された先代の鳴戸親方の「夢の実現」なのですから。