京都御所
後醍醐天皇から数えて22代目の後胤として皇位を僭称した熊沢天皇こと熊沢寛道や、
高松宮宣仁親王のご落胤といって有栖川宮を名乗った有栖川識仁など、
皇族の末裔を自称する者は少なくありません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4dfe02527bd048fd3d16e21a48a6473ae401915
王族の末裔としてブライトン王国を建国するつもりだった王見禎宏も
熊沢天皇や有栖川のような自称皇族詐欺の系譜に連なるものでしょう。
https://mainichi.jp/articles/20200727/k00/00m/040/049000c
孝明天皇がバチカン市国に数十兆円という膨大な資産を隠しているだなんて、
江戸時代に禁裏御料がたったの3万石で天皇家が貧乏していたことは
歴史教科書にも書かれていることなんですけど。
それに、頑固な攘夷論者だった孝明天皇が、キリシタン禁教時代に
カトリック総本山であるバチカンの教皇庁に財産を隠すなんてありえません。
https://www.chunichi.co.jp/article/69968
徳川家康が膨大な遺金を残していたと記録にあります。
徳川埋蔵金が架空のものなのに赤城山などで宝さがしをする人が
後を絶たないのは、徳川家なら大金を隠し持っていたかもしれない
と思わせるからでしょう。
江戸時代の貧乏な天皇家で隠し財産だなんてリアリティーがなさすぎます。
明治以降に宮家の男子が臣籍降下した時に天皇から氏を授けられることは
ありました。
ですが、明治以前に朝廷から苗字が与えられることはなく、
王族の末裔として孝明天皇から王見姓が授けられるようなことは
ありえません。
平安時代に桓武天皇の末裔が平氏を、清和天皇の末裔が源氏を
賜姓されたことと混同していますよ。
竹田宮家の末裔である竹田恒泰などの伏見宮系旧皇族が、
皇位継承資格者の少ないことへの対策から皇籍復帰してから
皇位につかせるという話ならあります。
だが、竹田恒泰といえどビル・ゲイツ級の資産を持ったとしても
英国のどこかに竹田王国を建国するなんて考えてもいないでしょう。
いくら斜陽の英国といえど大金と引き換えで領内に信託統治領を
作らせるわけありません。
「ブライトン王国」詐欺事件は、戦前に国定国史教科書で
南朝が正統とされていたことに付け込んで、終戦後まもなく天皇を
自称した熊沢天皇なんかと比べ物にならないほどお粗末な
ちょっと歴史を知った人なら突っ込みどころ満載な偽史による詐欺
だったといえるでしょう。
それでも「ブライトン王国」建国といって30億円以上を
だまし取れたなんて、日本史を勉強してない人がこんなに多いものかと、
歴史愛好者の一人としてがっかりしております。