「首ったけ」とは相手にすっかり
惚れこんで夢中になることです
元々は、足のつま先から首までの長さ
首丈(くびたけ)が変化したものです
「首までどっぷり浸かる」くらい
深くはまる状態を表します
「首ったけ」は、昭和の時代でも
よく使われていました
ポール・アンカの「ダイアナ」を
日本語でカバーした山下敬二郎は
僕は君に首ったけ 死んでも君をはなさない
と歌っているし
マーシー・ブレーンの「Bobby's Girl」の
邦題は「ボビーに首ったけ」だった
江戸時代から使われていたこの言葉も
さすがに今は死語となったが
落語には「首ったけ」という演目がある
川に落ちた𠮷原の遊女を助けようとしたら
自分を振った薄情な遊女だった
『おっと、誰がお前なんか助けるか!』
川の水に首までどっぷり浸かった遊女は言った
『助けておくれよ、今度ばかりは
あんたに首ったけだよ』




