常識的に見てこれはフィクションなのだから、実在するように思える名称や人名とかは架空のものです。
現実とは異なってるので、よい子はまねしないようにお願いします。悪い子についても責任をもてません。
 
せいたんパート3 その5
高梨の過去
 
朝が来る。一日が始まってしまう。
太陽が昇り始めた。逃れることの出来ない時間の流れ。
「止まってくれ」聞き届けられない声。
 
上半身に異常な発汗。痺れ。
高梨は寝返りを打つ。
今何時だ?
電波時計を見る。
4時。
睡眠の1サイクルが1時間30分だという。
未だ早い。もっと眠りたい、しかし。
遺体にむちを打つように、時間が過ぎていく。
たすけて。止めて。
無常にも日は昇る。
目覚めは死。眠りは死。
 
「終わりにしよう、すべてを」
今日こそは死を選択する。
 
「辞めるしかない」
 
高梨にはその選択肢のみが残されているかのように見えた。
 
8時まで眠る。そして上司に連絡しよう。「今日、休みます。退職します」
最良の選択だと高梨は思う。あと4時間眠ろう。
 
7時50分
悪夢の末、高梨は目覚めた。
電話をしよう。終われるのなら手段は選ばない。