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案内掲示
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配布資料より
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配布資料より

 昨日は奈良市の徳融寺で2ヶ月に一度、開催されている「おとなの寺小屋」に参加させてもらい、東京藝術大学教授の松田誠一郎氏による「徳融寺の木心乾漆造菩薩立像残欠について」と題した講演を拝聴し、その後で実物を間近で見せていただきながら松田氏の解説をお聞きしました。

 徳融寺に木心乾漆像の残欠が所蔵されている事は阿波野老院(前住職)に以前、伺って是非、一度拝見したいと思っていましたが、ようやく、拝見する機会を得て、とても嬉しく思いました。

 配布資料では、形状につき下記のように説明されていました。

形状は等身の多臂菩薩立像の、肩、第1手上腕、足ほぞを含む右半身の残欠。
上半身は裸形とし、下半身に折返しつきの裙を着ける。
裙裾にはくくりをあらわす。
上腕の背面は平らに削られており、もと脇手を取り付けたと見られる。
上腕後方の空間の大きさより、もと4臂像ないし6臂像であったかと思われる。


 松田氏は木心乾漆像の歴史についても説明され、最も初期の作例は法隆寺伝法堂東の間阿弥陀三尊像で、聖林寺の十一面観音像も初期の作例と考えられ、徳融寺の菩薩立像残欠は、それらより時代の下る観音寺の十一面観音像に似た構造を示す事を資料をもとに説明されました。