ここでは、まず、小林剛氏の著書「日本彫刻史」の目次を紹介させてもらいます。 

 小林氏が戦前に発表された論文の集大成的な本ですが、その当時、世に知られていた史料に基づく論考のため、戦後に知られるようになった新しい史料により塗り替えられた論説も多々ありますが、小林氏の「常識」から逸脱したい論考の姿勢は素晴らしいなと感服しています。 


1 飛鳥彫刻の二流派について 
2 御物摩耶夫人像の研究
3 白鳳彫刻史論 
4 東大寺三月堂本尊不空羂索観音像の造顕 
5 興福寺十大弟子像及び八部衆像の伝来について
6 興福寺十大弟子像及び八部衆像の伝来再考 
7 唐招提寺金堂の建立
8 大安寺の木彫群について 
9 天平の肖像彫刻 
10  貞観彫刻の様式に関する一考察 
11   新薬師寺本堂の薬師如来像について 
12   室生寺の貞観彫刻について 
13   善水寺薬師三尊像 
14   岡寺義淵僧正像について 
15  鎌倉彫刻史概観 
16   興福寺北円堂に於ける運慶一派の造像 
17   興福寺北円堂の四天王像について 
18   東大寺俊乗堂の阿弥陀如来像について 
19   善光寺如来像の研究
20   仏像の丈量に関する一考察 


 この中で、5と6の二つの論文については、以前、かなり詳細に紹介させてもらいましたが、それ以外にも興味深い論考が見つかりましたので、少しずつ紹介させてもらいたいと思っています。