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「興福寺曼荼羅図」に描かれた迦楼羅像
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「興福寺曼荼羅図」に描かれた阿修羅像

 8日から奈良国立博物館で展示されている「興福寺曼荼羅図」を早く観たいと思い、9日に少し時間があったので観覧させてもらいました。 

 それほど大きな図像ではないので、前に記事に書かせてもらいましたが、西金堂に描かれている迦楼羅像や阿修羅像の腕の位置が現存像と明らかに異なる事を肉眼で確かめようと思えば双眼鏡が必要だと思います。

 特別展の図録の「興福寺曼荼羅図」の解説は、何を言いたいのか、今一、分からない説明ですが、展示会場に掲示されている解説は、それを集約して過激に暴走した内容でした。 
 会場の解説を書き写したので紹介させてもらいます。 


 最上部に春日社、その下に興福寺の伽藍に安置される諸尊像を詳細に描いた画像。 
 貞慶も積極的に関わった再興造営中の興福寺の様子を反映しており、その完成予想図的なものとも考えられる。 


 奈良国立博物館の会場の解説は、京都国立博物館の治承4年の焼失以前の状態を示しているという見解を否定して、そこに描かれているのが鎌倉時代に再興中の興福寺の姿で、さらに完成予想図かも知れないという荒唐無稽な内容になっていますが、どうすれば、そのような発想になるのか驚きました。 

 何とか「興福寺曼荼羅図」と貞慶上人を関連付けようとして、無理やりこじつけた内容としか思えませんが、最近「興福寺曼荼羅羅図」の内容に興味を持ち、実物を観てみたいと思っていたので今回の特別展で観る事が出来たのは、私としては嬉しい事でした。