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飛鳥資料館入口
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川原寺裏山遺跡出土磚仏(特別展図録より)
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「明日香の里 葛花」の葛アイス(バニラ)

 今回の特別展の展示で、もう一つ気になったのは川原寺裏山遺跡出土の磚仏です。 
 川原寺裏山遺跡は、かっての川原寺の中枢伽藍の北西、板蓋神社が所在する丘陵に位置し、昭和49年の発掘調査で磚仏片約1500点、塑像片約1400点、瓦片約5800点が出土したそうです。

 出土塑像などには明らかに火を受けた痕跡が残り、近接する川原寺が火災にあった際に破損した堂塔内を荘厳していた塑像類を片付けたものと考えられ、出土した銅銭の初鋳年から平安時代前半の火災に起因するものと考えられているようです。 

 聖宝僧正は元慶二年(878)に弘福寺検校となり延喜九年(909)に入滅していますが、その間に「丈六檀像十一面観音像」を造立したという記録が有り、これが康平七年(1064)の巡礼記の逸文と推測される記録に川原寺の金堂中尊十一面丈六化人作と記されたものにあたると考えられます。 

 この十一面丈六像は、平安時代前期の火災で中金堂や塔が失われた後、再建が行われた際に、聖宝僧正によって造立されたと考えられています。 

 康平七年(1064)のものと推測される記録によると、川原寺の主要伽藍としては再建された金堂と三重塔しか記載されておらず、この時には既に幻の大寺となっていた事が分かります。

 川原寺裏山遺跡出土の磚仏を拝見し、館内に展示してある川原寺の復原模型を見て、創建当時の川原寺の姿を偲ばせてもらいました。

飛鳥資料館を出た後、バスの到着するまで時間があとので、前回も利用した「明日香の里 葛花」に入り、この日は「葛アイス(バニラ)」を頂きましたが、こちらも美味しかったです。