2010年11 月30日、奈良市大安寺町にある図書情報館に初めて行って来ました。
一番の目的は、そこの書庫に収蔵されている杉本直治著「真如親王伝研究」を閲覧する事でした。
この本は昭和40年に500部限定で発行された貴重本で三十年ほど前、図書館が近鉄奈良駅の近くにあった時に一度、閲覧した事が有りましたが、今、考えている推理の裏付けになると思い再度の閲覧をさせてもらいました。
真如親王は本名は高岳親王と言われ、平安時代の初め、平城天皇の皇子に生れ、平城天皇が弟の嵯峨天皇に譲位した時に皇太子に立てられましたが、翌年の薬子の乱で皇太子を廃され、その後、出家して名前を真如と改められた方です。
その後、東大寺の大仏の首が落ちた時に、東大寺大仏司検校という修理責任者に任ぜられ、その完成の式典の後、求法のために唐に渡られ、唐では優れた師を得られなかったため、さらに天竺を目指して旅を続ける途中、今のマレー半島の南端辺りで亡くなられたと推定されています。
澁澤龍彦氏の遺作になった小説「高丘親王航海記」のモデルになっているので、ご存知の方も多いと思いますが、この本で、その実像を知る事が出来ますので、興味のある方は、近くの図書館に、この本が有れば閲覧される事をお薦めします。
図書情報館の、ふるさとコーナーでは奈良県関係の資料4万点近くが閲覧出来るようになっています。
車が無いと、奈良駅か新大宮駅からバスで行かないといけないので交通の便は悪いですが、歴史好きな方には、お薦めスポットです。