前輪のないバイク「Dyke」 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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日本の新型家電に関心のあるみなさんは、二年前に日本市場に出現した「羽のない扇風機」をご存じだろう。この扇風機は先進的な流体力学を利用し、高効率のモーターを採用して、扇風機を通過する空気の流れを15倍に増幅して扇風機の効果を実現する。この新型扇風機は一般のものより安全であるだけでなく、吹き出す風もより自然で、日本に上陸すると、たちまち飛ぶような売れ行きとなった。だが実は、羽のない扇風機は決して特別な技術によるものではなく、こうした空気を増幅する技術は、掃除機やハンドドライヤーなどと本質的に変わりはない。しかしアイデアが勝敗を決する現代にあって、羽のない扇風機は明らかに、扇風機市場を新しい分野に導くのに成功したのである。この新しい扇風機を発明したのは、デュアルサイクロン掃除機の発明者でもある英国人のダイソン氏である。

一方、羽のない扇風機にインスパイアされて、新しい発想を展開し、他の分野で空気の増幅技術の考え方を発展させた人がいる。それは、Imran
Othmanというデザイナーで、彼はこれまでSFや動画作品にしか登場しなかった未来型のバイクを現実のものにしようとしているのだ。簡単に言うと、バイクの前輪をなくして、前の部分を羽のない扇風機の強化版にしたもので、空気の動力によってバイクを前進させることができる。後輪しかなく、前部が空中に浮いているこのコンセプトバイクは、デザインが発表されるとたちまち、全世界のバイクファンから大きな反響があった。


この赤いコンセプトバイクは、Imran
Othmanによって「Dyke」と名付けられた。前輪が必要ないので、車輪のフレームも泥よけなどの付属部品もなく、風の通る大きな穴があるだけである。「Dyke」ほど、前方の抵抗を減少させたバイクは、他にないだろう。このため、車体の側面はこれまでにないような流線型になり、非常にファッショナブルである。前部だけでなく、後部にも同様の空気流の増幅技術が使用され、このバイクの第二の動力源となっている。つまり、この超未来的なバイクは、ガソリンを使うことなく、電池でタービンモータを駆動すれば動くのである。しかも、扇風機が空気の流れを15倍にしているのと異なり、このバイクには100万倍増幅のスーパー級タービンモータが使用されており、理論的には一般のバイクのようなスピードを出すこともできる。この「Dyke」がいつか発売されて、我々を未来世界にもう一歩近づけてくれることを期待したいものだ。














YANKO DESIGN/dyke http://www.yankodesign.com/2011/08/30/what-if-dyson-made-bikes/ (英)