東京原宿の竹下通りでいちばん有名なお菓子と言えば、クレープです。みなさんは食べたことがありますか? 現在竹下通りで販売されているクレープは、1976年に登場しました。当時は、実験的に東京渋谷の公園通りの駐車場の一角で、小さな一台のワゴン型の店舗を使って販売が開始されたのです。紙でクレープを巻いて片手で持って食べられるようにしたフランス式の食べ物は、この年に日本に初めて登場したスタイルで、若者の口コミによって広まり、大きな話題になりました。この販売戦略が成功したので、1977年に原宿の竹下通りに「マリオンクレープ」として第一号店を開店しました。それから30年以上の間、この日本の味のクレープは人気が衰えず、日本国内に89の店舗が広がっただけでなく、外国人の嗜好まで征服してしまったのでした。 ちょっと恥ずかしいのですが、私が初めてクレープを食べたのは原宿で、最初これを「日本の食べ物だ」と思っていて、後になって「フランスの田舎のある地方のお菓子だ」と知りました。もともとクレープはそば粉を使って作られていましたが、その後小麦粉、水、塩を使い、さらに牛乳やバター、卵、砂糖などを加えるようになったそうです。原宿の「竹下通り」にはクレープ店がいくつかありますが、どの店もとても可愛く明るい内装で、前を通っただけであの食欲をそそられる甘い香りが流れてきます。休みの日には、店の前に長い列ができ、日本各地から来た修学旅行の学生たちの姿もよく見られます。原宿で販売されているクレープにはいろいろな種類があり、甘いものや食事用のものなど、クレープのサンプルがショーウインドウに並んでいる様子は実に壮観です。立って見ているだけで、満足した気分になってしまいます。バナナチョコカスタード、イチゴスペシャル、小豆マロン生クリーム、ツナカレー、ピザチーズ……みなさんはどれを食べたいですか? 原宿のクレープで嗜好がおかしくなってしまったのかもしれません。その後フランスのレストランで正当なそば粉で作った食事用のクレープを食べた時、その味と作り方にかえってなじめない感じがしました。ついでに言うと、台湾で売っているクレープは食感が硬めで、食べるとサクサクしてクッキーのようなので、原宿のクレープの食感とまったく違います。この両者が同じものだとはとても思えません。今クレープを食べるとしたら、私はやはり原宿のクレープの方が食べたいと思います。原宿に行ったら、みなさんも是非クレープを食べてみてください。甘くて柔らかいクレープを手に持って、食べながら竹下通りを歩き、たくさんの人が行き来する様子やショウウインドウの商品を眺めていると、本当に楽しくて幸せな気分になります。(哈日杏子執筆、撮影) |
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