たま駅長に学ぶ | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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和歌山電鉄には広く名前を知られた「たま」という三毛猫の駅長がいる。今月15日、和歌山電鉄の小嶋社長が書いた、「日本一のローカル線をつくる たま駅長に学ぶ公共交通再生」が学芸出版社から発売された。もう少しで廃線になるところだった貴志川線を救ったのは、貴志駅の売店の飼い猫「たま」だった。「たま」は2007年に駅長に抜擢された。この本では、いかにして人々が興味を持つ話題づくりをして貴志川線の再生に至ったかの軌跡が述べられている。「たま」についてはこれまで、DVDや写真集が出版され、電車やバスのデザインにも採用されており、集客による地域経済の振興に大きな貢献をしてきた。


小嶋社長は、苦境にある地方の公共交通の危機について理解してもらい、将来の問題を明らかにすることが執筆の最大の目的だと語っており、この本が地方の建設と地方の公共交通の活性化のために奮闘している人々に具体的で実行可能なヒントを与えることができると考えている。本の内容は、以下の三つの部分で構成される。1.「たま」駅長誕生の秘話と、それが巻き起こした客招き効果の数々の奇跡。2.水戸岡鋭治氏のデザインによる両備グループの電車、バス、旅客船の開発の秘密。水戸岡マジックがよくわかる。3.地方の鉄道、バスの再生がもたらす地方経済再生の具体的な軌跡。「先進国の中で公共交通が完全に民間の管理運営に任されているのが日本だけであるというのは意外でしょうが、この現実を知らなければ本当の地域公共交通の再生はできません。」と社長は語る。


小嶋社長は仕事の合間にこの本を執筆したそうだが、学術書のように硬くなく、物語のように楽しく読みながら考えることができる本である。「たま」が駅長になってからすでに5年経ったが、和歌山県に対して年間約11億円の経済効果をもたらしている。「たま」の一番の楽しみは寝ることである。課長だった頃は、社長が来るとまじめに仕事をしていたが、現在は常務理事で大物になったため、社長が視察に来ても平気で寝ているという。本には、こんな笑ってしまう話もたくさん書かれている。この本は和歌山電鉄のオンラインショップと全国400のオンライン書店で販売されており、定価は1995円である。猫好きと鉄道ファンの必読の一冊となるに違いない。













和歌山電鉄 http://www.wakayama-dentetsu.co.jp/ (日、英、韓、中)