「パパ料理」の新しい書籍 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

日本初の「パパ料理研究家」である滝村雅晴さんの新しい本、「パパ料理のススメ 父親よ大志を抱け」が4月1日に、赤ちゃんとママ社から発売された。これは前著の「ママと子どもに作ってあげたいパパごはん」(マガジンハウス)に続くもので、日本男性の意識とライフスタイルを変え、家庭を幸せにして明るい社会にしていこうという、写真も内容も豊富なすばらしい本である。


日本では昔から「男子厨房に入らず」という習慣があったが、男女平等が進み、女性の就業率が高まり、少子化などの影響もあって、この考え方は次第に弱まり、台所に入って得意料理に腕をふるったり、自作の弁当を持って出勤したりする男性たちも徐々に増えている。滝村さんは、もともとはごく普通のサラリーマン生活をおくっていたが、娘が生まれてから、家事の重要なポイントである料理についての認識に大きな変化が起こったという。


滝村さんと奥さんは共にベンチャー企業に勤め、朝から晩まで仕事漬けで、一日三度の食事もほとんど家で食べる機会がなかった。彼の最初の考えは、育児に忙しい妻のためにおいしいものを作るということだったが、レシピを参考にしながら料理をしてみて、それがおいしいだけでなく、意外なほど簡単だということに気が付いた。何気なく始めた「男子厨房に入る」という生活だが、あっという間に8年が過ぎた。始めたばかりのころにてんてこ舞いしたことや、一つの材料のためにスーパーを何軒も探し回ったことも、今では笑い話である。二人の娘たちは、パパ料理の大事なお客さんであるだけでなく、頼もしい助手でもある。一緒に料理を作ってテーブルを整えることによって、子供たちに料理をする楽しみを体験させると共に、ごく自然に父子の交流の機会も生まれてくる。


滝村さんは2005年1月からブログを開設し、次女が生まれた2006年からの5年間は毎日更新を続けている。彼が立ち上げた株式会社ビストロパパも設立2年を迎えた。「自己満足」の「男の料理」から、「愛を伝える」「パパ料理」へと、自分自身の意識も変革していった。「パパ料理のススメ」は、料理のレシピを教える本ではなく、滝村さんのブログの延長であって、文章には彼の仕事、家庭、育児に対する想いが込められている。この本を読むと、父親である人々は誰かのために料理をしてみたくなり、手伝ってくれる人がいなくてもちょっとやってみようかという気分になる。そしてさらに重要なのは、愛する人のために料理を作ってあげるのがどんなに偉大なことかという点を気づかせてくれるということである。


現在、滝村さんの「パパ料理」は家庭から社会へと向けられ、彼の活動も、「料理教室」から「父子エプロン」のデザインへと発展し、さらにはパパたちが料理をするときに使える「iPhoneアプリ」も開発している。また、東日本大震災を機に「パパ友を救おう!」と設立された『パパエイド募金』の支援活動にも参画。世の中を豊かにしていく上で、仕事・家庭・社会活動を軸にした“ワークライフ&ソーシャルバランス”のミッションを通して、様々な活動と事業の普及に努めている。「パパ料理研究家」の今後の動向に、さらに注目していきたい。

取材協力:西田みゆき 写真提供:株式会社ビストロパパ

滝村雅晴のブログ http://blog.livedoor.jp/tuckeym/  株式会社ビストロパパ http://www.bistropapa.jp/