女の子に恋する女の子 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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東京に暮らす中国人が見た、リアルタイムのこの国のすべて・・・

女の子たちが走る。走る、走る、走る、走る。


中央のランウェイ前とステージ前は立ち見自由席となっていて、皆が一番前を狙っているのだ。最前列から3番目の女の子に話を聞くと11時から雨の中を3時間以上待っていたらしい。それでも「もっと早く来たかった」と悔しそうに話すのには驚かされてしまった。


15:00、「スター・ウォーズ」のテーマソングが流れ、黒い人影が現れる。そこにライトが当たると同時に一気に会場は興奮の渦に巻き込まれた。登場したのは、女優としても活躍中のモデル、香里奈。


25,500人の女の子たちが香里奈を一心に見つめる。その恍惚とした表情。それはまさに心奪われているとしか表現できない。彼女たちは、恋をしているのだ。寒空の下、長時間待っていることも、人目をはばからず会場を全力疾走することも、モデルと同じ春夏の服を着ることも(当日の最低気温は6度)、恋をしているからこそ成し得てしまう。


その姿勢はただただ直向で真摯である。


しかしながら、女の子が女の子に対する恋心は男性の出現によってあっさり終わってしまう。溝端淳平、山本裕典、成宮寛貴といったイケメン俳優が登場すると、さきほどよりも大きな歓声に会場が包まれてしまった。


やはり、現実もTGCも同じなのかと感じていたところ、最後の倖田來未のライブによって女の子は女の子に再び恋をする。体は疲労しているはずなのに、その瞬間足や腰の痛みは消え、空腹や眠気も吹っ飛び、女の子たちは「くーちゃん!」と叫び、一緒に歌う。ここは東京ガールズコレクション、女の子は女の子に恋をしたまま幕は下りるのである。


帰りにハイヒールの足を痛そうに引きずる女の子を見かけた。会場に入るまでに何時間も待ち、更に会場内では立ち見で7時間。相当辛かったはずである。そんな彼女を見て微笑ましく思い、つい応援したくなってしまうのは、恋する女の子の一途さの賜物だろう。


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