今年の10月で開店5周年を迎えた「±0(プラスマイナスゼロ)青山本店」で、10月7日に±0ブランドの新製品発表会が行われた。世界の工業デザイン界でも評判の高い±0が、その斬新な姿で新たな注目を浴びている。電圧が異なるために海外では使用できない製品もあるというのに、購入者の四分の一が外国人であるという事実には驚かされる。もちろんそれは有名デザイナーの深澤直人さんの力によるところが大きく、商品そのものがたいへん魅力的なのが人気の秘密だろう。さて、新しい±0にはどんな商品があるのか見てみよう。
●単純化と実用化
「加湿器S(アロマ)」は、ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションに選ばれたドーナツ型の「加湿器Ver.3」の周囲をそぎ落とし、直径160mmの円筒を残した形のものである。「加湿器Ver.3」のデザインコンセプトは変えないまま、デスクやベッドサイドでも使える大きさになっている。「オーブントースター」は、万能式小型オーブンといった風情で、食パン、ベーグル、パイ、餅なども焼くことができる。トレイは取り出して洗うことができ、設置するのも持ち運びも簡単な、日常生活の便利なツールである。
●新しい色と新しい素材
「加湿器Ver.3」が2003年に初めて登場した時、それまでのデザインの概念を覆す新しい風が吹き込まれたが、今回、同じシリーズにさらにグリーンが加わった。ちょっと見るとインテリアに合わないようにも感じられるが、意外に空間にマッチしている。今年のグッドデザインを受賞した厚さ5mmの「ウォールクロック」は、金沢の金箔製造メーカーとコラボレーションし、金箔、銀箔、銅箔をほどこした特別バージョンも発売。本来は素朴な掛け時計に華やかな色彩を与えている。
●合理性と環境保護
「電子計算機XS」は名刺より小さいカード型で、ポケットや手帳の中にも入れることができる。「リストウォッチ」は、文字盤やベルトの組合せが4種類あり、ベルトを固定するバネ棒が省略され、全体がひとつのまとまりというイメージが強い。±0の製品は、シーンが生活に溶け込んで人々の思い出になり、製品を買ったときの新鮮な気持ちや好奇心が持続して、5年後、10年後にも±0の製品が使われ続けることが期待されている。「それはある意味から言うと、環境保護の精神にもつながるものです。」深澤さんは意義深い言葉で今回の発表会を締めくくった。
【耳寄り情報】11月末より、台湾で±0ブランドが初上陸!「誠品信義店
」(台北市信義区松高路11号TEL:886-2-87893388)と「誠品敦南文具館
」(台北市敦化南路一段245号B2 TEL:886-2-27755977#700)で±0商品(家電を除く)を入手することができる。
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