3月に2学期が終わり、5月に新年度が始まるまで、タイでは夏休みになる。
日本では春休み明けが新年度だから、少し感覚が違うかもしれないが、タイでは4月ごろに暑さのピークがあり、有名な「ソンクラーン(水かけ祭り)」も各地で行われる。
僕は学校と2年契約をしていたから、夏休みをタイで過ごすこともできたが、家族もいたので、やはり一時帰国し、妻の実家の厄介になった。
久しぶりの日本は、便利で安心で食べものもおいしく感じたが、何をするにもお金がかかり、タイの給料では苦しかった。
それでも、職場の仲間のために日本のお土産を買った。
4月末、ゴールデンウィークの出国ピークの前に再びタイに戻ったが、学校が始まるまで暇を持て余した。
一時帰国からタイの生活に戻ってから、妻に異変があった。
帰国前は気にならなかったタイの不便さや不自由が気になり、憂鬱に感じるようになった。
例えるなら、冷たい水に慣れていたのに、一度温かいお湯に浸かった後、冷たい水に入ると、初めより冷たく感じる。
僕にはやりがいのある仕事があったから、タイの不便さなどは気にならなかったし、職場内の人間関係にも恵まれていたから心身の健康を維持することができた。
その一方で、僕とは対照的に、妻は徐々に外へ出るのが億劫になり、鬱のようになっていった。
5月、新学期が始まり、僕は再び忙しい毎日に追われるようになった。