タイ東北部にスリンという町があり、年に一度行われる象祭りで知られている。
毎年雨季が終わる11月、タイ全国から数百頭もの象と象使いたちがスリンに集合する。
大きな象を大きなトラックで輸送するとなると、当然結構なコストがかかる。
そのため、10月から11月にかけて、タイ各地で象を連れて旅をする象使いが見られる。
象の餌を確保するのも楽ではないはずだ。
もし日本で象が町を歩いていたら、とたんに大騒ぎになって、黒山の人だかりができるに違いないが、タイではそんなことにはならない。
タイ人は象を見ても「あ、象がいるな」ぐらいの反応で、立ち止まることもしない。
象使いは、象の餌代を確保するために、物乞いをしながら旅をする。
坊さん修行みたいなものだと思う。
そうして集まってきた象使いと象たちは、スリンで三日間荒稼ぎする。
この時期には、国内外からスリンにたくさんの観光客が集まってくるから、パレードやショーなどの見せ場以外にも、客を乗せて歩いたり、餌を売って食べさせたりと、象たちは働きまくる。
ところで、ショーはなかなかの見ごたえだった。
騎馬戦ならぬ「騎象戦」は、なかなかの迫力だった。
タイと象とは歴史的にも深い関わりがあることがわかる。
僕は人に使われている象を見るのがあまり好きではないが、象はタイの観光業には欠かすことのできないものだ。
象祭りの時期に合わせて、タイ観光に行くのもいいと思う。