”人形の家には人間は住めない”
Drifter/桜井和寿(ミスターチルドレン)&BANK BAND (キリンジのカヴァー) ↑YouTube動画
割と本気で、
昭和50年代の子供たちの様子、
「ハルコ」を描こうと思った動機。
私は、事情があって突然、
小学生と幼稚園の子供の世話をすることになりました。
突然だったから、
かもしれませんが、
ひしひしと伝わってくる、
現在の子供たちの環境の変化。
ある程度の予想はしていましたが、
いや、最初の頃は結構ショックでした。
<あくまで私が体験して思ったことの一部>
ご存知のとおり、今は土日が休みになっている。
学校は、勉強を教え終わると、門を閉め、速攻で子供達を家に帰す。
「ハルコ」の時代のように、
校庭で5時まで遊ぶ、
ってことは出来なくなったんだな…。
うん、まあ、わかる。今の時代はしょうがないか。
帰宅後・土日・祝日。
私も子供と遊ぶのは大好きだったので、特に気にせず、常に一緒にいた。
放っておくと、彼らは部屋でゲームばかりする。
だから、毎回、無理矢理、外に誘い出し、公園やらデパートやらに連れていく。
しばらく経って、ようやく、なんか変だなと思いだす。
「あれ?長男、もう4年生だろ…。いくらなんでも大人といすぎじゃないか?」
車もあって、どこにでもすぐ連れてってくれる大人と。
会話もほとんど大人と。変な知識だけは植え付ける大人と。
お金もあって、欲しいものは大体買ってくれる大人と。
何をやっても、何でも誉めてくれる大人と。
「な、なあ、そういえば、お前、友達とどこか遊びに行ったりせんの?」
「へ????」
「いや、俺の子供のころはさ、学校終わったら、友達と、川行ったり、模型屋行ったり、ファミコンしたり…駄菓子屋行ったりとかさ」
「え…だって、先生、外出たら危ない、言うし」
「う、うん…そらわかるけど」
「知らない大人にも絶対近づいたらあかん、言われた。みんな変質者やって」
母親の携帯には、毎日、変質者情報というメールが届くようになってる。
親以外の大人は信じるなって、先生までが子供に言う時代になったのか。
まるで、「北斗の拳」の世界だな。
三者面談。
私が行ったわけではなく、母親から聞いた話。
これが一番のショックだった。
担任は20代の若い男の先生。
こちらがお辞儀をして挨拶をしたにも関わらず、
彼は、立ち上がろうとも、返事をしようともしない。
「〇〇くんは、宿題をやってこないことが多いですね、はっはっは」
母親が先生に謝る。
「すみませんでした、これからは毎日厳しくチェックします」
担任が、長男の方に顔を近づけてニヤッとしながら言った。
「なあ、〇〇? 最悪、友達のを写してでも、やってこなきゃダメだぞw」
夏休み。
「宿題のチェック、答え合わせ、親御さんの方でやってください」
お、おう、まあ、わからないでもない。親子でコミニケーションしろってわけか。
オーケーオーケー…。
え?じゃあ、先生はチェックしないの?
長男に聞く。
「もし、やらなかったりしたとしても、先生に怒られたりしないの?」
「へ?ないよ」
次女の宿題に、あるお祭りのことを調べるというものがあった。
「そかそか、だったら、明日、学校の隣りの児童図書館にでも連れてくよ~」
「え…ネット~…」
「え?」
「先生がネットで調べてもええ、言うとった」
へ?
だって、ネットだと、素人が書いたものかもしんないよ?いいの?
調べるっていう作業も勉強のうちかと思うんだけど…。
参考にしたサイトには、でかでかと、
同性愛の漫画の広告バナーが映っていた。
そのお祭りに子供らを連れていく。
いかぽっぽ焼きか何かを買うために、屋台の前で並んでいた。
すると、
隣の、全然人が並んでいないリンゴ飴の屋台から男の声がする。
中学のジャージを着た女の子たちが3人ほど、男の周りを囲んでいた。
18~9の屋台の男がニヤニヤしながら、女の子に言う。
「エッチ教えてやるよ。いいからウチに来いって」
「え~、知ってるもん、そんなの!あははは!」
「彼氏の悦ばし方、教えてやるからさぁ~」
自然と、子供の手を持つ自分の手に、力が入った。
「何か気づいたことがあれば、連絡帳にご記入ください。
担任からも気づいたことがあれば、連絡帳に書いてお伝えします」
は、はあ…(先生が直接、児童に聞いたりしないのかな?)。
わかりました…。
初めての授業参観。
あまりのにぎやかさに、最初はディスカッションでもやってるのかと思った。
違う。
廊下で見学する親御たちが、普通のトーンで、普通に雑談していた。
ガヤガヤした授業中、先生の声は自分にも聞こえないほどだった。
先生が言うことにいちいち、大声で答える児童が数人いた。
「知らーん!」「うちではそんなことせーへーん!」「えー、やだー!」
たまにならいいけど…。ずっと。
特に、ある男の子は、
ずっと大声で独り言を言っている。
あの…、先生は君のお母さん、もしくはお父さんなの?
てか、ここ、君の家?
てか、先生、何で注意せんのー?
次女が小学校に入り、
友達が出来たと言い、その友達の家に遊びに行きたい、
と言った。
母親は極度に、子供を外に出すのを嫌がっていた。
「こいつ、鉄砲玉やけん、よけい危ない。絶対アカン!」
俺が母親を説得する。
「ええか、次女は幼稚園のころから、ちょっとコミュニケーション不足や。
物わかりのいい大人とばっかりいたから、
同級生とかと、いつも馬が合わんのやって。
勘違いで怒ったりして、みんなと交わろうともせず、
一度、登校拒否したやんか。
馬鹿にしたりされたり、自慢したりされたり、ケンカしたり。
そうやって子供同士で、コミュニケーションとって、切磋琢磨していかなアカンと思う」
母親はしばらく黙って、こう答えた。
「わかった。んなら、なんかあったら責任とってくれるんな」
俺は、次女とその友達が遊んでいるのを、10メートル範囲内で見続けることになった。
これらの経験が、ハルコの第1話を描こうと思った理由です(ホントかよw)。
はなぢがたくさん出てくるのも、
「鼻血の一つや二つで、泣くなよ!w」っていうメッセージです(ほんとかなあw)
〇自分の絵とハルコについて
高校生の頃に描いていた絵柄にようやく戻ってきました。
絵って描いていないと、忘れるんですね。
◎以前の記事「いろんな人がいていろんなことを言うね」
でも言いましたが、
つい80年代の漫画のセオリー通り、エッチっぽく描いてしまうので、
私がこういう絵を描くことを知らなかった友人らは、軽くドン引きしてるっぽいです(笑)
漫画をよく読む方にとっては、ジョークとして受け入れられるんでしょうけれど、
不快に思う方もいらっしゃるでしょう。
女の子を、どうせ描くなら可愛く描きたい、という気持ちはあるのですが、
実は、昨今の流行りの、
「萌え」とか「美少女」とか「2次コン」「アイドル」ブームは、
(趣味は否定はしませんけれど)
正直、抵抗を感じています。
深夜のアニメとかゲームも実はちょっと苦手です。
もちろん、物語の中味や、キャラクターが濃いものであれば観ることもあるかもしれませんが。
現実の女性の方が、つらいこともきついことも含めて、断然、魅力的だと思っています。
ハルコは、
私が「カッコイイ!」「尊敬できる…」「そしてかわいいなあ」
と思えた
女性の集合体です。
性格やしぐさ、ポーズ、セリフまで。
現実にいる、
母親から友人、元同僚まで。
たぶん、半分以上は、
戦後の激動の人生を送ってきた母親の要素が大きいです。
さらっと30分くらいで、書いた記事ですが、
重い話でごめんなさい。
不快に感じた方、ごめんなさい。