不思議なことに | ばいあん道中記

不思議なことに

どうもこのところ、四六時中寝ている。

 

朝五時から七時頃に起き、朝食を摂る。

昼近くまで眠り、昼食で目覚め、食後また眠る。

三時頃におやつを食べ、またうとうとする。

夕食後またいつの間にか眠っており、入浴で目覚める。

この後は、暫くテレビを見て眠りにつく。

こんな生活を随分の間続けている。

 

まあ誰に迷惑をかけるわけでもなく、なんら気にはしていないが、どうも不思議である。

 

 

五月の事、医者が会うなり「痰の具合は?」と紙に書いてきた。

私は、「痰」という漢字をいとも簡単に書いたことに驚きつつも、何故筆談?と

不思議な気分にとらわれた。

相手の医者は、二か月に一回通っている膠原病内科の医者である。

私が声を失くしているのに寄り添おうとした結果生まれた錯覚だと思うが、

その後も彼は筆談に終始した。

 

先月は会食が二回あった。

コロナ前は三か月に一度行っていたものだが、今や年二回位になっている。

一つは学生時代の仲間で、私に気遣って柏まで来てくれたものである。

店に着くとまだ開店前で、数人の客が店の前にたむろしていた。

すると仲間が近寄ってきて、やおら手のひらに「歩き」と書いてきた

話せばよいのに、変な奴だと思いつつも、「否、電車」と返す。

また何か書こうとするので、喋るように身振りすると、すぐに気づいて

大笑いになった。

 

もう一人遅れてきた友人も、席に着くなり筆談を始め、これもまた大笑いになった。

基本的にこちらに寄り添おうとした結果生まれたことで、起こり得ることだが

私にとっては感謝しかない。