『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

『アデュー・ロマンティーク』~恋とか、音楽とか、映画とか、アートとか、LIFEとか~

僕が過去と現在、ロマンティークと感じた(これから感じることも)恋や音楽、映画、アートのいろいろなことを書いていきます。

 

 

                      Adieu Romantique No.717

        『春の訪れはささやかな声で知らされる

     

少しずつ春が近づいてきている。急に寒くなったり、また暖かくなったりを繰り返しながら、柔らかな空気や風や陽射し、そしてその光を浴びた草花や小鳥の囀り、或いはギターのアコースティックな響きや囁くような歌やハミングなど、春の訪れはとてもささやかな声で知らされる。

 

音譜音楽はCurrituck Co.によるギター・インストゥルメンタル『The Tropics Of Cancer』から静かに始めよう。

 

📷️女性ならではのジェンダーな感受性で写真を撮る、スウェーデンの写真家リナ・シェイニウス【Lina Scheynius。彼女の写真は春が一歩一歩、近づいてきていることをいつもセンシティヴに伝えてくれる。

音譜ベルギーのSSW、YLÏAM による妖精の歌『Pieces』

音譜もしかしたら、妖精の歌に耳を澄ましているのかも。

音譜僕のブログではもう何度もセレクトしている曲。春の訪れを感じたい時に、この曲とこのMVは外せない。シンガポールの男女デュオ、アスピディストラフライ【Aspidistrafly】の2011年リリースのアルバム『A Little Fable』から『Landscape With A Fairy』。まるで春の妖精たちが「こっちにおいで」って言ってるような、そんな不思議でキラキラ✨した感じが眩い。

 

 

 

音譜フローリスト【Florist】の2019年リリースの、とても素敵なアルバム『Emily Alone』から『Celebration』『Time Is A Dark Feeling』。メンバーのエミリー・A・スプレイグのイノセントな歌とギター、そしてモジュラー・シンセの響きが紡ぐのは、春の微睡みに漂うような虚ろう世界。

 

 

 
音譜1950年代初め頃のサンバ・カンソンの時代からボサノヴァ初期まで、いくつもの可憐な名曲を残したブラジルの作曲家であり、歌手であったドロレス・デュランの曲や彼女がレパートリーとした曲を彼女の同郷であり、その音楽をリスペクトするニーナ・ベケール【Nina Becker】が7弦ギターとバンドリンをバックに歌った、2014年リリースのアルバム『Minha Dolores』(「私のドロレス」という意味)から『Estrada do Sol』を。
 

 
音譜同じくブラジルの、ミルトン・ナシメントロー・ボルジスを育て、彼らの伝説のアルバムのタイトルになり、音楽コミュニティでもあった「街角クラブ」【Clube da Esquina発祥の地でもあるミナスジェライス州に生まれたルイーザ・ブリーナ【Luiza Brina】のセカンド・アルバムTão Tá から『Costi 』を。彼女の少女のような伸びやかな歌声が春風を届けてくれる。
 

 

音譜ブラジル音楽をもう1曲。ガル・コスタ【Gal Costa】が1969年にリリースした、MPB(エミ・ペー・べー)【Musica Popular Brazileira】の名盤『Gal Costa』から。まるで春に吹く突風のようなカエターノ・ヴェローゾ【Caetano Veloso】とのデュエット曲『Que Pena』

 

 

音譜ガチャガチャしていて、少し大きな声だけど同じように春の訪れ知らせてくれる曲。josie の、カヴァー・アートが可愛過ぎるアルバム『a Life on Sweets Alone』から『Sweetie Pie』

 

 

音譜これは男性ボーカル。The Black Atlantic の、やっぱりカヴァー・アートが素敵な2009年リリースのアルバム『Reverence For Fallen Trees』から『I shall Cross This River』

 

 

🖋️僕が大好きな詩人、谷川俊太郎の処女詩集『二十億光年の孤独』から春の詩をひとつ。やわらかな春の陽射しと花の匂いと、僅かな翳りが交差する、素敵な一篇だと思うな。

 

 

   『春』

 

  かわいらしい郊外電車の沿線には

  楽しげに白い家々があった

  散歩を誘う小径があった

 

  降りもしない  乗りしない

  畠の中の駅

  かわいらしい郊外電車の沿線には

  しかし

  養老院の煙突もみえた

 

  雲の多い三月の空の下

  電車は速力をおとす

  一瞬の運命論を

  僕は梅の匂いにおきかえた

 

  かわいらしい郊外電車の沿線では

  春以外は立入禁止である

 

 

 

音譜赤い鳥でキャリアをスタートし、YMOのワールド・ツアーにも参加、数多くのセッションにも参加したギタリストであり、作曲・編曲家でもある大村憲司の、1981年リリースのソロ・アルバム『春がいっぱい』【Spring Is Nearly Here】からタイトル曲を。

 

 
📖谷川俊太郎の詩に繋がるように。ノスタルジックな春の匂いが充満している、僕の大好きな漫画。天才女流漫画家、高野文子『春ノ波止場デ ウマレタ鳥ハ』。とにかく絵が可愛いし、まるで一篇の詩のように感受性が刺激される名作。
 
 
 
 

音譜シルジュ・ネス【Silje Nes】の2007年のアルバム(個人的にもとても大切なアルバムだ)『Ames Room』からタイトル曲と『Bright Night Morning』

 

 

 
音譜Gregory & The Hawkのアルバム『Moenie and Kitchi』から『Oats We Sow』
 

音譜同じくGregory & The Hawkのアルバム『come , now』から『Gloryless』
 

 
音譜ヴァシュティ・バニヤン【Vashti Bunyan】の名作『Just Another Diamond Day』からタイトル曲を。よく晴れた春の1日をDiamond Dayと呼ぶのもいいかも。
 

 

音譜レディライク・リリー【Ladylike Lily】の曲『Pearl And Potatoes』。カヴァー・アートも含めて、ウキウキするような春の訪れを感じることができる。

 

 

音譜Hana Strettonの2023年リリースのアルバム『Soon』から。小鳥の囀りから始まる素敵な曲『Micalong』
 

 
音譜ニューヨークを拠点に活動するマリ・モーリスのソロ・ユニット、モア・イーズとフィラデルフィアを拠点に活動する松井夏帆【more eaze & Kaho Matsui 】のコラボレート・アルバム『Computer and Recording Works for Girls』から『Geoguessr』
 

 

音譜春を感じるピアノ曲を。グランドピアノの弦にゴムや金属、木などを挟んだり乗せたりして、音色を打楽器的な響きに変えて弾くプリペアド・ピアノ【Prepared Piano】によるHasuschkaの曲『kreuzung』

 

 

音譜LAKE のアルバムから『I Look Up To You』
 

 

音譜ヴェティヴァー【Vetiver】のフリー・フォーキーな曲『Stranger Still』。木漏れ日に溢れた森の奥から聞こえてきそうな、そんなイメージの音楽か、と。

 

 

音譜Big Thiefの中心メンバー、エイドリアン・レンカー【Adrianne Lenker】のソロ・アルバム『Songs』から 『Two Reverse』。彼女はつくづく才能に溢れたSSWだと思うなうーん

 

 
音譜Claire Elziere のシャンソン・アルバム『Chansons D'Amour de Paris』からパリの春を感じるような素敵な曲『Sur les guais du Vieux Paris』
 

 
音譜ALA.NI のアルバム『You & I』からノスタルジックな春を感じる『Cherry Blossom』
 

 
音譜僕の大好物のDUBも入れておかないと。birdの12inch single『桜』Mad Professor' Lovers Rock Dub Remix
 

 

 音譜ビートルズの歴史的傑作『アビー・ロード』のB面1曲目に置かれたジョージの名曲『Here Comes The Sun』を、ジャズ、ソウル、ゴスペルを自由自在に往き来する偉大なるシンガー、ニーナ・シモン【Nina Simone】のカヴァーで。この曲は意外とカヴァーが多いけど、どうしてもオリジナルを模倣してしまいがち。なので僕はビートルズとはまた全然違った味わいがある、このカヴァーが好き。

 

 

音譜最後は。春に始まった恋の歌。サイモン&ガーファンクル【Simon & Garfunkel】の、1966年のアルバム『Sound Of Silence』に収められていた名曲『四月になれは彼女は』【April Come She Will】。四月に始まったその恋は夏が近づくと翳り始め8月にはもう終わってしまう。そして9月になると「かつて新鮮だった恋もやがて古びてしまうんだ」という想いが巡る。季節の移り変わりと共に人の気持ちもまた移り変わっていくという、ちょっぴりせつない曲。だけど、そう。春に始まったひとつの恋が、その年の秋に終わったとしても、誰も何も悪くはない。

 

 

春の訪れを静かに感じながら、今夜は素敵な夢を。

 

それじゃぁ、また

アデュー・ロマンティークニコ