第2問(配点40点)
A社の現社長(5代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。
(設問1)
A社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100字以内で述べよ。

 

事業の展開の違いを確認します。

学校アルバム事業の情報が多いのでそれに対比するように整理します。

・顧客 学校の卒業生

・営業先 地域の写真館

・納品 卒業式の前後(年1回として全国3000校だから3000回)

・リードタイム 相当長い

・ロット 100部

・商品 卒業アルバム

 

新規アルバム事業

・顧客 一般消費者、取引先企業や美術館の社員

・営業先 一般消費者、取引先企業や美術館の総務担当

・納品 定年退職日の前後、誕生日の前後など、記念日の前後 → 随時納品

・リードタイム 短い

・ロット 基本1部、多くても数部

・商品 定年退職者の記念アルバム、子供の成長記録のアルバム

 

以上の違いから違いを見ます

・顧客は、学校アルバムは固定客、新規アルバムは固定客+顧客開拓が常に必要

・営業先は、学校アルバム事業はルート営業、新規アルバムはルート+営業先開拓が常に必要

・納品は、学校アルバム事業は少頻度多量納品、新規アルバムは多頻度少量納品

・リードタイムは、 学校アルバム事業は長い、新規アルバム事業は短い

・ロットは、学校アルバム事業は大きい、新規アルバム事業は小さい

・商品は、学校アルバ向け事業は定型商品であり提案力はさほど必要ない、新規アルバム事業は個人の好みに応じた提案力が必要である

 

それでは、与件文から使えそうな記述を拾っていきましょう。

一般消費者のアルバム需要を掘り起こすことに力を入れる体制作りをスタートさせた

それまで学校とのパイプ役を果たしていた地域の写真館

ターゲット市場を学校だけに限るのではなく、美術館や企業、そして一般消費者

卒業式前後に生徒・学生に配布する学校アルバム事業

全国およそ3,000校のアルバム制作を手掛け、年間の学校アルバム製造部数は30万部

巨大な潜在市場を抱える大都市圏にも営業所

 

 

では、どんなスタンスで整理すればいいのでしょうか?ヒントは設問文です。

新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について

これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら

 

つまり、学校アルバム事業展開と違うところは、A社にとって弱いところであると考えられます。なぜなら、その部分は未経験だから弱点となる可能性が高いからです。

 

そんな視点で整理しましょう。

 

新規アルバム事業では、①巨大な潜在需要を持つ大都市圏の営業体制の確立、②一般消費者のアルバム需要を掘り起こせる営業力の獲得、③少量生産、短納期、多頻度納品を効率的に実施できる体制の確立、等を助言する。(100字)

 

こんな感じでしょうか。

 

再度制約条件を確認してみましょう。

・A社の現社長の経営改革に関連したことを答えること → 〇

・A社が新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について答えること → 〇

・これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮すること → 〇

・中小企業診断士としてどのような助言をするか → 〇

・100字だから論点3つ → 〇

 

制約条件は全てクリアしています。OKです。

 

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