農業界が反対したTPPに加盟の意向表明、韓国経済副首相が「社会的論議に着手」と言及するも記者説明を省略した理由とは
韓国が環太平洋連携協定(TPP)への加盟意向を正式に表明した。TPPは全世界の貿易額の15%に相当する貿易取引について、加盟国間の関税を撤廃する大規模な自由貿易協定(FTA)だ。韓国の輸出額にTPP加盟11カ国が占める割合は23.2%に達する。
ところが、韓国政府は「巨大FTA」への加盟推進を宣言しながら、事前説明といった過程を省き、疑念を生じさせた。13日にCPP加盟方針を正式に表明した洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官も「社会的論議を始める」と言いながら、加盟の必要性に関する記者説明を省略した。
韓国政府周辺からはTPP加盟に関する政府内の意見対立が十分に調整されておらず、記者説明を行えなかったとの見方がある。また、一部からは韓国政府が文在寅(ムン・ジェイン)大統領のオーストラリア公式訪問に合わせ、目立つ形でTPP加盟推進を表明したのではないかという批判が出ている。
政府高官は14日、「外交部、産業通商資源部などTPP加盟に関係する官庁間の意見調整が不足しているのは事実だ」とした上で、「各官庁の実務者が定期的に集まり、協議を進めていると聞いている」と話した。
韓国のTPP加盟にはデリケートな問題が多い。まず、米中による立場の差だ。米国はかつてTPPを主導したが、トランプ政権発足後に離脱した。現在中国は米国の後釜に座ろうとしている。韓国では農業界による加盟反対論が根強い。製造業、サービス業、農業など各産業の担当官庁間の意見も激しく対立することが避けられない。
それでも韓国政府はTPP加盟を推進するに先立ち、国民に対する説明会やメディア向けの記者説明を一切開かなかった。政府は洪副首相が13日午前、政府ソウル庁舎で開かれた対外経済閣僚会議に先立ち、簡単に言及する方式でTPP加盟を公式表明した。洪副首相は交通整理ができていない政府の内部事情を意識したかのように、「アジア太平洋地域の経済秩序の変化が活発に起きている。これ以上官庁間の協議にばかり留まっているのは困難な状況だ」と述べた。
韓国は2013年から8年間にわたり、TPP加盟を検討してきたが、実行には移さなかった。現政権発足後もTPPは政権の主な関心事ではなかった。韓国政府がTPP加盟問題を表面化させたのは、9月に中国によるTPP加盟推進が伝えられてからだ。それ以降、韓国はTPP加盟手続きの着手が秒読みに入ったかのように行動した。
洪副首相は10月14日、主要20カ国・地域(G20)財務相会議に出席するため、米ワシントンを訪問した際、記者団に対し、「もう時間がない。『加盟するかしないか、するならばいつなのか』まで含めた決定を10月末から11月初めに下さなければならない。決定は土壇場に来ている」と発言した。
その後、韓国政府はTPP加盟の是非を協議するはずだった対外経済閣僚会議を2回延期。11月からは「TPP」という用語自体に言及しなかった。そのたびに政府は「官庁間で調整すべき争点が残っている」と説明した。そんな政府が今回突然TPP加盟手続きに入ると公式表明した格好だ。
こうした状況について、産業界の一部からはTPPに関する議論を先送りしてきた政府が文在寅大統領のオーストラリア公式訪問に合わせ、これ見よがしに発表したのではないかとする批判の声が上がった。洪副首相の発表があった日、文大統領はキャンベラでモリソン首相と会談した。席上、モリソン首相は「韓国が近くTPPに加盟する予定だ。とても歓迎したい」と述べた。オーストラリアは日本とともにTPPを率いている国だ。
TPP加盟に一貫して反対してきた農業界の重鎮は「FTAを巡る官庁間の意見対立はきょうに始まったことではないではないか。官庁間の協議にばかり留まっているわけにいかないのならば、もっと早く(加盟協議に)突入すべきだった。大統領のオーストラリア訪問に合わせ、政治的発表を行ったという印象をぬぐえない」と話した。
>韓国政府はTPP加盟の是非を協議するはずだった対外経済閣僚会議を2回延期。11月からは「TPP」という用語自体に言及しなかった。
唐突に韓国がTPP加盟に前向きになりましたw
えっと・・・
宗主国様が申請するという発表に驚き、慌てて前向きに検討するとか言い始めたのは10月。
しかし、農業団体などの反発で会議は何度も延期して、有耶無耶のうちに終わると思ってたよ。
それなのに、なぜ突然この時期に??
>産業界の一部からはTPPに関する議論を先送りしてきた政府が文在寅大統領のオーストラリア公式訪問に合わせ、これ見よがしに発表したのではないかとする批判の声が上がった。洪副首相の発表があった日、文大統領はキャンベラでモリソン首相と会談した。席上、モリソン首相は「韓国が近くTPPに加盟する予定だ。とても歓迎したい」と述べた。
なるほど!
トラオくんの豪州訪問に併せて、モリソンくんへのお土産の意味があったんだね。
でもさ・・・
>3日にCPP加盟方針を正式に表明した洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官も「社会的論議を始める」と言いながら、加盟の必要性に関する記者説明を省略した。
これって、要するに加盟に向けて国内で論議を始めるっていうことだよね?
つまり・・・
任期末のトラオくんの仕事ではなく、詳しいことは次の大統領にお任せということだなwww
仮に、申請して加入できればトラオくんのお手柄。
世論の反対で申請出来なければ、次の大統領の責任ということに・・・
上手い手、考えたねぇ~。
まあ、申請までにはまだまだ色々ありそうだし・・・
中国主導のRECPに比べて、規制がかなり厳しいTPP基準をキミらがクリアするのは難しいだろうねwww